フェーン現象で酷暑、新潟の経済に明暗 ビアガーデン盛況、コメ大打撃
新潟県内は31日も各地で気温が上昇し阿賀町では最高気温が36.1度を記録し、フェーン現象などにさらされ7日連続の猛暑日となった。連日のうだるような暑さで、ビアガーデンや家電量販店が特需に喜ぶ一方、コメ農家は猛暑と水不足に頭を悩ませ、レジャー施設では客足が遠のくなど明暗が分かれている。危機感を抱いた県は8月1日、渇水対策の緊急会議を18年ぶりに開催し県民の不安払拭に応える。(松崎翼、太田泰)
ビアガーデンがあるホテルオークラ新潟(新潟市中央区)では「前年に比べて入客数、売上高ともに100%を超えるペース」(同ホテル担当者)と笑顔を隠さない。今年は雨天による休止が少なかったことに加え、女性のグループ客が増加していることも売り上げ増を後押ししている。
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また、「ヨドバシカメラ マルチメディア新潟駅前店」(同区)では、エアコンを中心に家電の売れ行きが好調。例年の1.5~2倍の売れ行きだが、業者によるエアコンの取り付け作業は、2週間ほど待たなくてはならない。
東北電力によると、東北地方が梅雨明けした7月14日以降の最大需要電力は、同月20日午後3時時点で、本県と東北6県を合わせて1339万キロワットに到達。昨夏で最も高かった数値よりも約3%高く、平成28年の電力小売り全面自由化以降では夏の最高値を更新した。
一方、コシヒカリの生産地として名高い魚沼市では、猛暑と水不足が農家に深刻な打撃を与えている。県魚沼地域振興局によると、猛暑によってコメの生育が早まり、品質低下が懸念されている。また、少雨の影響で川が渇水状態となり、各農家は消雪パイプから水を田んぼにひくなど工夫を凝らしている。
長岡市宮本東方町の国営越後丘陵公園では、好天が続いたにも関わらず、21~30日の入園者数が昨年同時期と比べ約6%減少した。同園では「熱中症を懸念して、親子で遊びに訪れる人の姿が少ない」と分析している。
さらに、カピバラや羊、犬など計約70頭の動物を飼育している新潟市中央区の動物ふれあいセンターでは、ミストシャワーや大型の扇風機をフル稼働し、動物をねぎらっている。31日には暑さに弱いアルパカに飼育員がホースを使って水をかけた。
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