「真っ暗ななか貼り紙が…」 世界的家具メーカーの代理店が破綻 関係先に困惑広がる

 
アイデック社の貼り紙=8月1日

 世界的な家具メーカーの国内販売代理店でもある輸入家具販売のアイデックが突然廃業を公表した。消費低迷で業績が悪化したが、取引先などに困惑が広がっている。(東京商工リサーチ特別レポート)

◆すでに連絡取れず、破産手続きへ

 200年の歴史を誇る世界的な家具メーカー、THONET(トーネット、ドイツ)の国内販売代理店として知られるアイデック(東京都渋谷区)が8月1日、突然ホームページで廃業したことを公表した。

 すでに連絡は取れず、8月1日朝から東京商工リサーチ(TSR)に取引先からの問い合わせが多く寄せられていた。その後の取材で破産手続きを井上玲子弁護士(大空法律事務所、東京都港区)に一任していることがわかった。

 アイデックは1977年に東京・西麻布で設立された。トーネット社を中心に、ヨーロッパ家具の輸入を手がけ、半製品を小山工場(静岡県)で組み立て自社ブランドでの販売も行っていた。

 1997年8月期の売上高は29億1100万円を計上し、外食産業向けの販売が好調に推移していた。その後、深刻な消費低迷と為替変動の影響で業績が悪化。2011年8月期の売上高は9億6100万円に落ち込み、当期純利益は約1億円の赤字を計上していた。

◆ハンガーにはまだジャケットが…

 このため、販売体制の強化を急いだが業績不振から抜け出せず、2017年8月期の売上高は9億6500万円にとどまり、赤字経営が続いていた。

 8月1日、アイデック本社のドアには「7月31日をもちまして閉店することになりました。大変ご迷惑をおかけしていることを心から謝罪いたします」と書かれた紙が張り出されていた。本社事務所の電気は消え、社員の姿もない。

 ただ、従業員のものとみられるジャケットがハンガーに掛けられたままで、慌てて閉鎖した様子がうかがえる。同日、大阪営業所を訪ねると、貼り紙などは何もないものの、入口シャッターは閉まり呼びかけに応答はなかった。

 関係者によると、「前日まで普通に営業していた。今朝、真っ暗ななか貼り紙を見つけて鳥肌が立った」と驚きを隠さなかった。また、別の取引先は、「突然、連絡が取れなくなり困っている」と困惑した顔で話している。

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