日本郵便の法人向け廃止で代行業脚光 1カ月半余り経過、業者活用で想定よりも混乱生じず
日本郵便が6月末で法人向けの郵便物集荷を原則、廃止してから1カ月半余りが経過した。集荷されないため郵便物を自ら持ち込む人で郵便局の窓口が混雑するなど混乱で苦情は出ているものの、軽貨物集荷を代行する業者が増えていることや、大口事業者を中心に一部企業に対しては9月末まで集荷が続けられていることなどから日本郵便の想定よりも混乱は生じていない。
「集荷の打ち切りが決まったので(代行業者を)探していた。見積もりをしてほしい」
個人の軽貨物運送ドライバーや中小零細事業者に荷主が直接荷物の配送を依頼するシステムを開発、提供している「CBcloud(シービークラウド、東京都千代田区)」が、同システムを利用している食品メーカーなどに6月末、郵便物の集荷代行サービスの案内を出したところ、問い合わせがほぼ毎日のように相次いだという。
シービークラウドは、7月から郵便物集荷代行を全国展開。企業が集荷を同社のシステム上で依頼すると、登録している約5000人のドライバーが集荷に駆けつける。
利用料は郵便局と企業の距離などに応じて変わるが、最低でも1回運ぶごとに4000円かかる。7月のサービス開始以来、1カ月余りで既に約100件の問い合わせがあったという。問い合わせてきた企業は保険代理店や百貨店などさまざまだが、同社の小島卓己マネージャーは「これまで無料だった集荷のためのコストが毎月8万円前後必要になる計算なので、即答して利用を決める会社はほとんどない」と話す。
日本郵便は、6月末の集荷終了前の時点で利用していた企業に対し、自ら窓口に郵便物を差し出す企業担当者で混雑することが予想される夕方を避けるよう要請するなど対策を取った。ただそれでも「郵便物を出しに行ったが混んでいて出せなかった」などの苦情は出たという。
日本郵便の集荷サービスは、各郵便局の判断で一部の企業や地域では9月末まで継続されている。そのためシービークラウドは10月以降にさらに問い合わせが増えると予測する。
松本隆一最高経営責任者(CEO)は「大手の宅配事業者では、郵便局で差し出しにかかる時間が読めないなどリスクがあるため、集荷代行に参入するのは難しい。一方で、集荷廃止の解決策が分からない潜在顧客は多い。年内に800社の利用を目指したい」と意気込んでいる。
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