自動車株、6社大幅安 貿易摩擦が重し 打開策打ち出せず
米中貿易摩擦が泥沼化してきたことで、トランプ米政権が検討している日本などからの輸入車に対する関税の大幅引き上げも現実味を帯びてきた。東京株式市場では、米政権の追加関税検討開始以降、上場乗用車メーカー7社中、米国で販売する6社の株価が大幅安となっている。各社が有効な対応策を打ち出せるかは不透明で、先行きへの不安が日本経済を支える自動車産業の成長期待を押し下げている格好だ。
強硬姿勢を鮮明にしている米政権は23日に第2弾の対中制裁を発動。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジストは、「米国の貿易赤字で中国に次いで大きいのはメキシコと日本。メキシコとは北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉をしており、次は日本だ、という懸念が強まっている」と指摘する。
米政権が最大25%とされる関税引き上げ検討を発表したのは5月24日(日本時間)。その後の3カ月間、既に米国を撤退し、インドで販売を伸ばすスズキを除く乗用車6社の株価は低迷している。5月23日と今月24日の株価を比較すると、特に下落率が大きいのはマツダと三菱自動車。両社は米国に工場を持たず、現地で販売する全量を日本などから輸出している。
もっとも、現地工場を持つトヨタ自動車、ホンダなどにとっても“決め手”となる対応策は見当たらない。新工場を建設しようとすれば数千億円規模の投資が必要。トヨタとマツダが計画する米合弁工場の稼働開始予定が両社の合意から4年後の2021年であることからも分かるように、時間がかかる。
米国は日本からの自動車輸出の最大の仕向け地で、昨年は全体の37%に相当する約174万台を輸出。トヨタ、ホンダ、日産自動車は世界販売台数の3割前後を占め、追加関税やNAFTA見直しによる経営への打撃は大きい。トヨタの吉田守孝副社長は「(追加関税による負担増の)全てをまかなうことはできない。ある程度価格に転嫁すれば、販売台数は減る」と話す。輸出減による減産が地方の景気や雇用に影響する懸念もあり、自動車株の低迷は、日本経済の“危機”を映し出す。(高橋寛次)
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