「桜」のアロマ効果を世界に発信 桜サイエンスビューティー・川人紫社長
日本を象徴する花として日本人だけでなく、外国人からも愛されている桜。開花する季節には観賞用として多くの人が愛でるが、特有の甘い香りが副交感神経に働きかけ、精神をリラックスさせる効果が高いことは、既に臨床例で明らかになっている。体に取り込むための桜の花のエキスを商品化したのが、桜サイエンスビューティーだ。川人紫社長は「日本のアロマとして桜の効果を世界に発信する」と話す。
ストレス緩和に効果
「桜ファウンテンドロップス」は、八重桜から抽出した天然素材100%のエキスをそのまま瓶詰めにした。
1滴に花びら250枚分の成分が凝縮される。1日に2、3滴を水やお茶などに滴下して飲むだけで頭痛を軽くするほか、ストレス緩和、不眠解消、美肌効果の臨床例も示されている。
末期がん患者に、亡くなる2週間前に投与したところ、「自らクッキーを焼いて周囲の人に振る舞うほどに、一時的ではあるが元気になったこともある」といった事例や、空腹によるいらいらを鎮め、ダイエットを成功に導いたという例もあるという。鬱などのメンタルヘルスへの効果についても研究中だ。
桜ファウンテンドロップスは八重桜の花びらを一つ一つ手で収穫し、本来の香りを失わないよう独自に開発した低温真空抽出法で、有機溶媒も水も一切用いず、100%天然の桜の花のエキスを取り出している。一般的な芳香蒸留水に比べ100倍の濃度という。
がんの体を癒やす
川人社長はアロマ製品の輸入販売で1994年に起業した。直後からアロマセラピーがブームになったため、事業が急成長した。そんなときステージIIの胃がんを患う。「どうして」とショックを受けるが、アロマの有用性を自ら試そうとさまざまなことをやってみる。
バラのオイルを枕に浸して寝ることで、不安で睡眠薬を使っても眠れなかったのが、ぐっすり熟睡できて、落ち着いて手術に臨むことができた。術後もアロマトリートメントで足のむくみが取れて効果を実体験する。
退院後は再発することもなく一層事業に励むとともに、日本独自の素材としてヒノキやユズ、シークワーサーなどに目を向けるようになる。
前職在任中の2013年からは新潟県五泉市と共同で、八重桜の香りの抽出と機能性評価に関わる研究に着手。その後、神奈川県秦野市や島根県大田市の生産農家へと提携先を広げている。
「日本固有の香りであるとともに、全国各地に生息する桜を活用して地方創生も支援する」という考えで桜ファウンテンドロップスを開発し、実証実験を経て、7月に販売を始めた。国内だけでなく中国、台湾、香港、欧米向けにEコマース(電子商取引)や代理店を通じての販売を計画している。
「日本中の桜の名所と協力して収穫量を増やし、商品製造を強化する。世界中の人に桜の有用性を広めたい」と将来を見据えている。
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【プロフィル】川人紫
かわひと・ゆかり 熊本大大学院修了。1994年アロマセラピー用精油の輸入卸を立ち上げ、後にハイパープランツに組織変更。2013年SHIODAライフサイエンス副社長を経て、16年同社子会社の桜サイエンスビューティーをMBO(経営陣による自社買収)によって取得。北海道出身。
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【会社概要】桜サイエンスビューティー
▽本社=東京都千代田区九段北4-3-20-403
▽設立=2016年9月
▽資本金=100万円
▽従業員=3人
▽事業内容=機能性香料、化粧品の製造販売
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