携帯料金の引き下げ実現なるか プラン拡充も高止まり批判は根強く、関係者困惑

 

 菅義偉官房長官の発言で、携帯電話料金の引き下げの可否が注目を集めている。既に携帯大手3社も政府の意向をくんで料金引き下げを進めてきており、関係者の間では、菅氏の意向に反発や困惑の声が広がる。利用者が求めるレベルの料金引き下げは実現するだろうか。

 「国民の財産の電波を利用した事業で、(携帯3社は)過度な利益をあげるべきではない。4割程度(料金を)下げる余地はある」。菅氏は21日の講演で突然こうぶち上げた。

 菅氏の「4割」は、海外の料金水準を踏まえたもので、総務省の調査によれば、毎月データ通信量を5ギガ(ギガは10億)バイト利用する人にとっては、日本の料金はロンドンに比べて5割ほど高い。ただ、総務省幹部は「日本はロンドンに比べてはるかに携帯電話がつながりやすい。日本では安かろう悪かろうが通用するとは思えない」と指摘。携帯3社に数兆円単位の設備投資が必要となる、第5世代(5G)移動通信方式整備の重要性を示唆する。

 総務省は23日に情報通信審議会に、携帯電話料金水準引き下げを視野に入れて携帯市場活性化に向けた議論の推進を諮問したが、5Gの整備の在り方などさまざまな携帯電話市場の課題に配慮しながら、料金引き下げの議論を進める考え。引き下げの議論だけを進めれば、5G時代に世界トップレベルの日本の携帯電話品質が失われる可能性があるからだ。

 一方で、菅氏の発言の通り、携帯3社の売上高に占める営業利益の割合が高止まりしているのも事実だ。3社はデータを大量に使う人や、少ししか使わない人向けのプランなど拡充してきたが、高止まり批判の声は根強い。政府は通信自由化を進めてきただけに、料金引き下げは間接的に競争活性化を進めるしかない。「いっそのこと法律で料金水準を決めればいいのだろうが、できるわけもないし…」。総務省関係者は頭を抱えている。(大坪玲央)

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