ANAHDとJAXA、宇宙でタッグ 関連事業創出、身代わりロボ開発
ANAホールディングス(HD)は6日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などと連携し、遠隔ロボット(アバター)を用いる新たな宇宙関連事業の創出に乗り出すと発表した。宇宙ステーションや月面などにロボットを配備し、地上からの遠隔操作で基地建設や宇宙空間での設備などの保守管理を行ったり、ロボットを通じて疑似的に月面散歩を楽しめるエンターテインメントなどの実現に向けて技術開発を進め、事業化を目指す。
ANAHDは、事業化を目指す「アバターXプログラム」を立ち上げ、他の企業や研究機関などとコンソーシアム(共同体)を作り、技術開発や実証実験に取り組む。
同日会見したANAHDの片野坂真哉社長は「遠隔地のロボットに自分を“瞬間移動”する技術は医療や観光、災害支援などに生かせるもの。宇宙空間でも活躍する技術であり、ビジネスとして進めたい」と話した。
コンソーシアムには既に鹿島や大成建設など大手ゼネコン、NTTドコモなど通信事業者、ロボット関連技術の開発を手がけるスタートアップなど国内外28社3団体が参加を表明。ANAHDとJAXAは技術研究開発に向けたロードマップ策定と事業性の検討などを進め、来年4月には、大分県内に「アバターXラボ@OITA」の建設に着手し、研究開発や実証実験場として活用する計画だ。
ANAHDの考える遠隔ロボット「アバター」では、遠隔地に置かれたロボットから映像や音声だけでなく、触覚や嗅覚によって得られる振動や体感温度、においといった多くの情報がもたらされる。遠隔地から操作すれば自分が現場にいるような感覚を得ながら作業できる、いわば“身代わり人形”となる分身ロボットだ。
同社はアバター技術の開発の機運を高めようと、米Xプライズ財団と提携した賞金レース「ANAアバターXプライズ」の開催を3月に発表。既に58カ国地域から429チームが事前登録を済ませたという。(日野稚子)
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