新興国にクラウドファンディング投資 クラウドクレジット・杉山智行社長

 
クラウドクレジット杉山智行社長

 クラウドクレジットは、新興国向けの投資型クラウドファンディングを運営している。日本の投資家が資金不足の国のファンドにインターネット上で投資し、社会課題を解決するための社会的リターンと経済的リターンの両立を目指す。販売するファンドは、ほとんどが予定通りの運用益を達成している。杉山智行社長は「世界を応援する新しい金融の仕組みをつくる」と話している。

 --詳しい事業内容は

 「東欧、中南米、アフリカといった新興国のファンドに投資している。新興国は高い成長を遂げているが、金融機関の資金供給力が低い上、銀行口座を持っていない人も多く、事業資金が不足している。そこで余力のある日本人投資家と事業意欲のある新興国の事業家を結びつけようと2014年にサービスを開始した」

 --これまでの実績は

 「運用資産残高は100億円で登録者は2万8000人を超える。平均利回りは7.6%を実現、全ファンド商品の96%で予定利率を達成している」

 --投資先はどのように決めているのか

 「実際に現地の投資先を訪問して決めている。これまでに30カ国以上を訪れて、自分の目で確認した事業者のみを対象にファンドを組成している。ペルーでは内戦を乗り越えて経済成長まっただ中の様子を体感した。事業意欲を持つ人が大勢いるが、過半数が金融サービスにアクセスできていないことから、未開拓の有望な投資先だと実感できた。投資先は事業計画を精査するほか、徹底的に現地調査もした上で審査する。厳選するので5~10%しか選ばれない。これまでに累計500本のファンドを組成した」

 --具体的な投資先は

 「キプロス、ジョージア、ポーランド、チェコといった東欧や、フィンランド、エストニアといった北欧のほか、南米・ペルーのマイクロファイナンス機関への貸し出し、アフリカ・カメルーンの中小企業向け貸し出しなどを行っている。今後はアジア向けにも展開していく。今年中には、インドネシアとミャンマー向けにファンドを立ち上げたい」

 --事業の展望は

 「いずれ自動投資機能を搭載したい。まだ構想段階だが、積み立て機能などを実装できれば使いやすくなり投資が促されるだろう。今年の運用残高は150億~200億円を予想している。来年は単年で2倍以上となる400億~500億円を目指し、再来年は単年で1000億円の運用を計画している」

【会社概要】クラウドクレジット

 ▽本社=東京都中央区日本橋茅場町1-8-1 茅場町一丁目平和ビル

 ▽設立=2013年1月

 ▽資本金=12億3454万円

 ▽従業員=50人(2018年9月1日時点)

 ▽事業内容=投資型クラウドファンディング運営

【プロフィル】杉山智行

 すぎやま・ともゆき 東大法卒。2005年大和証券SMBC入社。ロイズ銀行東京支店を経て、13年1月クラウドクレジットを設立し、現職。35歳。愛媛県出身。