工機HD 新ブランド「HiKOKI」始動 20年3月期に5割増収計画

 
工機ホールディングスの新ブランド「HiKOKI」のロゴ(同社提供)

 電動工具大手メーカーの工機ホールディングス(工機HD、東京都港区)は1日、ブランド名を前身の日立工機時代からの「Hitachi Koki」から、「HiKOKI」に改める。新ブランドの始動を機に、総合電動工具メーカーへの新たな一歩を踏み出す。従来の製造現場向けに限らず、ライフサイエンス、さらには塗料やインク、化粧品、自動車オイルなどの材料系業界への販促活動を強化する。海外事業でのM&A(企業の合併・買収)で規模を拡大し、2018年3月期に1912億円だった連結売上高を20年3月期には、約1.5倍の3000億円に伸ばす計画だ。

 工機HDは、電動工具業界で国内2位。16年3月にドイツの工具メーカー、メタボを約220億円で買収し、売上高では世界4位の規模を誇る。

 生産面では6月1日の社名変更を機に、新ブランド名を冠した製品に切り替えている。

 営業面では10月1日の新ブランド発足を機に、販売強化策の一環として、従来の代理店販売から自社販売に切り替える。

 販売子会社の「日立工機販売」も同日付で「工機販売」に社名を変更した。

 既に今年4月の段階で、埼玉(埼玉県桶川市)、宇都宮(栃木県上三川町)、徳島(徳島市)、松山(松山市)、高知(高知市)の5営業所を開設し営業網の強化を図ってきた。

 新ブランドの「HiKOKI」は、70年の同社の歴史のなかで培った高い技術力、高い信頼性、高い成長性という3つの強みを「高い」を意味する英単語「High」にかけた。また、ロゴマークに隠し文字として、ローマ字の「I」を盛り込み、顧客にナンバーワンの製品を届け、世界ナンバーワンの工具メーカーになるとの思いを込めている。

 工機HDの主力製品はコードレス型の電動工具。作業中にコードが足などに絡まないため、取り回しも良く、作業環境の改善にもつながることから、建設現場を中心に人気がある。昨夏には業界最小・最軽量となる「36ボルトリチウムイオン電池」を活用したコードレス電動工具を開発。卓上型スライド丸のこや電動ドライバーなどが商品化されている。電池の長寿命化により、長時間の作業にも十分に耐えられるという。