【ワークスタイル最前線】NECソリューションイノベータ 勤怠情報共有化で残業削減
生産効率の向上などを目指す働き方改革関連法案が成立し、ワークスタイル改革に取り組む企業がここにきて急増している。ただ、組織内の各従業員の業務負荷が把握できないために、長時間働く従業員がいてもその原因がわからず、対策を取れないケースも多い。こうした状況の克服に向け、勤怠管理などさまざまな支援システムが登場しているが、NECソリューションイノベータ(東京都江東区)が販売している「NEC 働き方改革支援ソリューション」は、従業員の業務情報を見える化、共有化することで、単なる勤怠管理だけではなく、社内のコミュニケーションを円滑にするツールとして活用できるのが最大の特徴だ。今後3年間に50社への導入を目指し、販売に力を入れている。
グループ内で閲覧
既存の勤怠管理システムは、残業時間や有給取得など、部下の働き方を上司が管理する使われ方をするケースがほとんど。これに対し、同社のソリューションのコンセプトは「残業を楽しく減らしていこう」。プラットフォーム事業本部サービス基盤ソリューション事業部の稲葉圭太マネージャーは「勤怠管理の基本機能のほか、従業員のエンゲージメント(愛着)やコミュニケーションを高める要素を盛り込んだ」と語る。
代表的なのが、ダッシュボードと呼ばれる画面。ここには従業員ごとの月別の残業状況や、今後の残業予測、当日の帰宅予想時間などの情報が開示されており、管理職のほか、組織内、グループ内のメンバーも閲覧、共有化することができる。さらにダッシュボード内の「ひとことコメント」と呼ばれるコーナーには「子供を週3回保育園に迎えに行っている」「来週に有給休暇を3日間取得する」「釣りが好きなので数十万円の釣り具を購入した」などプライベートを含め、なんでも書き込める。
口コミから普及
プラットフォーム事業本部プラットフォーム企画本部PFSI事業推進グループの西村倫治マネージャーは「みんなが情報を共有できるので、それぞれが支え合い、結果として残業削減につながっていく。上司などとの会話も弾むことが期待できる」と語る。例えば、ダッシュボードで有給をたくさん見かけると、自分も取ろうという気持ちが湧き、有給取得を推進する効果も見込めるという。
このほか、朝にその日の仕事をメンバーに宣言し、結果を夜に伝える「今日メール」など、コミュニケーションを取る工夫が施されている。
もともとこのソリューションは社内の事業部内の特定チームが残業が多いことから、その解決のために生み出したのが始まり。社内で口コミが広がって普及し、今年4月からは全社約1万3000人への導入が始まった。それだけ優れたものなら競争力があると判断、ブラッシュアップして外販に乗り出したわけだ。
7月に開催された「働き方改革EXPO」に出展したところ、200件を超える問い合わせが舞い込んだ。西村氏は「想定を超える反響だ。さまざまな業種、業態がさらに使いやすくなるよう、改良を続けていく」と話している。
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