日本郵船、船舶燃料の硫黄分簡便測定 環境対応に向け共同開発

 
日本郵船の要望から開発された日本油化工業の船上簡易硫黄分析計=17日、東京都千代田区

 日本郵船は17日、傘下の日本油化工業(横浜市中区)と共同で、航行中の船内で船舶用燃料油に含まれる硫黄分を手軽に計測できる分析計を開発したと発表した。硫黄酸化物(SOx)排出規制が強化される中、より規制が厳しい北米や欧州の沿岸を航行する際、船舶は重油から、低硫黄燃料に切り替える必要がある。航行中の船内から硫黄分を測定できればエリアに入るギリギリまで重油を使用することができ、運航コストの最適化につながる可能性があるとしている。

 両社が開発した「船上簡易硫黄分析計」は石油製品専用で、重さは約9キロ。機関士が船内で使うことを想定、分析計に測定試料を入れる方法などを簡便化したほか、測定結果は内蔵プリンターで印字でき、デジタルデータとして取得・保存できる。メーカー希望販売価格は150万円。

 船舶にとって環境対応と航行コストの両立は重要だ。排出ガス中の硫黄分を規制するSOx排出規制では、欧州沿岸や米国・カナダ沿岸などが大気汚染物質排出規制海域(ECA)となっている。燃料の硫黄含有率は一般海域は3.5%以下だがECAでは0.1%と厳しい。適合するために重油の約1.5倍の価格の低硫黄燃料に切り替える。「切り替わったかどうかは燃料の温度の変化を目安にしているが、分析計で数値による見える化ができれば燃料使用量が最適化される」と開発に関わった日本郵船海務グループ機関チームの岩本真一課長代理は話している。