ネット中立性めぐり有識者会議 利用料やIT大手への公平性議論

 
総務省=東京都千代田区

 総務省は17日、インターネット接続で特定のサービスを優遇しないことなどを求める「ネット中立性」を議論する有識者会議の初会合を開いた。米グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンなど世界的な影響力を持つIT大手のサービスの台頭で変化する市場環境に対応した規制の在り方などを議論。海外では政府が規制を強化する動きがある中、有識者からは規制に慎重な意見も出た。

 ネット中立性とは、インターネット接続サービスを提供する事業者が通信速度や料金で利用者を公平に扱うよう求める原則。一部のサービスを使い放題にする携帯電話の料金プランなどはネット中立性に反すると指摘されており、ルールの見直しを含めた議論が今後進む可能性もある。

 初会合で、総務省はネット中立性を確保するための国や事業者による規制の在り方に加え、光通信など定額制の固定回線について、動画配信サービスなどの拡大でデータ量が増加する通信網の維持費をどう捻出するかなどを検討項目に挙げた。利用者がネット利用のデータ量に応じて料金を支払う従量課金の携帯電話事業に比べて、定額の固定回線サービスは、実際の利用量の大きい契約者と小さい契約者の間に維持費負担の不公平感があるためだ。

 来年1月に論点案を取りまとめ、今年度内に報告書を策定する。

 また、膨大な情報を握り市場の支配を強めるIT企業への規制については、「消費者にとっての中立性を重視し、事業者には市場競争で公正性を確保するルールをつくる必要がある」といった市場の環境整備を求める意見など、海外で検討されている事業者への直接的な規制の強化には慎重な声が相次いだ。

 ■ネットワーク中立性に関する研究会の主な論点

・技術や市場環境の変化に合わせたルールをつくる

・健全な競争環境や持続的な投資、消費者の選択を確保

・ネットワーク利用の中立性とコスト負担の公平性の両面を検証

・定額制や従量制などの多様なビジネスモデル間での公正な競争ルールを検討

・規制は、政府による法的規制だけでなく、事業者による自主規制を組み合わせる