他社よりお得 お高い外食ランチを定額で提供する「ミールパル」の戦略とは?
アメリカのシリコンバレーやニューヨークなどでは、ここ数年、昼食のデリバリーサービスが熱い。いくつか名前を挙げるだけでも、イートクラブ、キャビア、ピーチ、アマゾン、グラブハブ、ドアダッシュ、ウーバーイーツと、類似のサービスがひしめき合っている。
内容に若干の違いはあるものの、スマートフォンのアプリで、各サービスが提携している近場のレストランのメニューから注文、昼食時間に合わせて職場まで配達(出前というべきか)してもらうという点は共通だ。手元のスマホで気軽に注文も支払いもできるため、職場に食堂がない、ランチの度に外へ出るのが億劫、あるいは時間がないという人々に好評だ。
◆レストランでピックアップ
こうしたなかで他社とやや異なるサービスを展開しているのがミールパルである。まず同社はサブスクリプションサービス、つまり定期契約を結ぶという形態をとっている。また職場まで直接ランチを届けてくれるデリバリーが主流なのに対し、ミールパルの場合、利用者が自分でレストランに出向き、ピックアップする必要がある。しかし1食あたりのコストが、他社サービスに比べ格段に安いのだ。
ミールパルを利用するには、まずプランを選択する。「30日で12食」「30日で20食」(注文できるのは平日のみ)の2プランが用意されており、値段は地域によって若干異なるものの、大体6ドル前後となっている。20食のプランのほうが1食あたりのコストがやや安くなる。例えばシカゴなら、12食のプランは1食あたり6.39ドル、20食なら5.99ドルだ。
プランを決めて申し込んだら、ランチを食べたい日の前日の夕方5時から当日の午前10時半の間に、スマートフォンの専用アプリで予約する。ミールパルとは複数のレストランが契約しており、それぞれの提供するメニューから選ぶことができる。あとはピックアップする時間を設定するだけだ。配達はしてくれないので、設定した時間に自分で直接レストランに行って受け取る必要がある。ただし、ミールパルで注文したと告げれば、列に並ぶ必要はない。
◆値段が均一
注文するレストランやメニューを毎回自由に選べるにも関わらず、値段は均一というのも魅力的だ。これは配達コストがかからないのと、提携しているレストラン側は、定期契約ゆえにある程度まとまった注文が確保できるからである。他のランチデリバリーサービスの利用には、1食あたり10ドル以上はかかることを考えれば、6ドルでレストランの味を楽しめるのはお得だ。
2016年に起業したミールパルは、アメリカ国内10都市(ボストン、ブルックリン、シカゴ、デンバー、マイアミ、ニューヨーク市、フィラデルフィア、サンフランシスコ、シアトル、ワシントンDC)でサービスを提供しているほか、ロンドン、マンチェスター(イギリス)、メルボルン、シドニー(オーストラリア)、パリ(フランス)、トロント(カナダ)、そして2018年7月からはシンガポールでもサービスを開始した。今後は他のアジア市場での展開も視野に入れている。現時点ではニューヨーク市とブルックリンでのみ提供しているディナープランも、他の地域へ拡大する計画という。
またミールパルは今年5月、職場の同僚がミールパルで注文しているかを見ることができるソーシャルアプリ「ワークパルズ」をシアトルとサンフランシスコで立ち上げた。同アプリを利用すれば、同じレストランに注文し、誰か1人にまとめてピックアップを頼むことが可能になる。例えばセールスフォース社では、1000人以上がミールパルを利用しており、そのうち40%以上が同じレストランで注文、同じ時間にピックアップしているという。
現時点では不明だが、ミールパルが日本市場に参入する可能性は決して低くはないだろう。(岡真由美/5時から作家塾(R))
《5時から作家塾(R)》 1999年1月、著者デビュー志願者を支援することを目的に、書籍プロデューサー、ライター、ISEZE_BOOKへの書評寄稿者などから成るグループとして発足。その後、現在の代表である吉田克己の独立・起業に伴い、2002年4月にNPO法人化。現在は、Webサイトのコーナー企画、コンテンツ提供、原稿執筆など、編集ディレクター&ライター集団として活動中。
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