「広告塔」の白物家電、業績悪化で再編の動き
電機各社は長年、利益率の高い企業間取引に注力しつつ、一般消費者が使う白物家電を「広告塔」として活用してきた。ただ、白物家電は部品を買い集めて商品に仕立て上げることが比較的容易なことから、価格が年2~3割も下落。リーマン・ショックなどで各社が過去最悪の赤字に陥ると、白物家電事業を再編する動きも出た。
洗濯機などの「白物家電」に高級化の波が押し寄せている。ここ数年、家電ベンチャーが機能を追求したシンプルデザインの製品を高価格展開したことで市場が形成され、大手が追随したのがきっかけだ。家電大手は、総合電機メーカーとして培ってきたモノのインターネット(IoT)や人工知能(AI)などの技術を生かすことで、白物家電とネットを組み合わせた新サービスを模索し、家電ベンチャーと差別化しようとしている。
最近では、主力の液晶パネル事業の不振にあえいだシャープが台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下に入ったほか、米原子力発電事業で深刻な経営危機に陥った東芝は白物家電を中国・美的集団(マイディアグループ)に売却した。
日立製作所は、日立アプライアンスを含む生活・エコシステム事業部門の稼ぐ力を示す営業利益率(売上高に占める営業利益の割合)が、2018年3月期で約4.6%と、全社目標の8%に届いていない。
こうした中、日立とシャープは利益率を高めようと、IoT時代に対応した白物家電の開発を急いでいる。シャープは、IoTにAIを組み合わせた「AIoT」と名付けた分野の機器を20年までに全体の5割(現在は2割程度)に引き上げる。日立はIoT基盤「ルマーダ」事業を新たな収益源に育てており、家庭との接点となるエアコンや照明などの開発を加速していく。
日立は、利益率を高める一環として、日立アプライアンスと、白物家電の販売を担う子会社の日立コンシューマ・マーケティングを合併し、来年4月に新会社を発足させる。
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