最高益の日立 石炭火力や原発 構造改革なお課題

 
決算内容を説明する日立製作所の西山光秋CFO=26日午後、東京都千代田区

 日立が進めてきた事業の選択と集中が実を結び、2019年3月期までの3年間の中期経営計画で掲げていた「営業利益率8%超」の目標達成が視野に入った。18年9月中間連結決算の営業利益率は前年同期比0.8ポイント増の7.7%。26日の会見で、西山光秋最高財務責任者(CFO)は「(19年3月期の営業利益率)8%達成は最低限。これ以上やっていきたい」と語った。

 日立製作所が26日発表した2018年9月中間連結決算(国際会計基準)は、最終利益が前年同期比20.2%増の1929億円と、中間期として過去最高となった。社会・産業システム事業や情報・通信システム事業、建設機械事業が収益拡大を牽引(けんいん)した。東証1部上場の子会社でカーナビなどを手掛けるクラリオンを、仏自動車部品大手フォルシアに売却することも正式発表した。

 リーマン・ショックが引き金となった世界同時不況のあおりを受け、09年3月期に当時としては製造業で過去最大の7873億円の最終赤字を計上。そこから収益性の高い情報通信、社会インフラを中心とした事業に特化する一方、本業と関係の薄い事業の売却や不採算事業の撤退などの構造改革を推し進めてきた。同日発表したクラリオンの売却も「日立が得意とする制御分野に特化するため」(西山CFO)だ。

 次の中期計画の最終年度までにはさらに、国内外で約900社あるグループ会社の統合・清算やモノのインターネット(IoT)基盤「ルマーダ」事業を新たな収益源に育て、「世界トップレベルの収益性」(同)を目指す。営業利益1兆円超、営業利益率10%以上を達成し、米ゼネラル・エレクトリック(GE)や独シーメンスといった世界の強豪と肩を並べる計画だ。

 ただ、南アフリカでの石炭火力発電プロジェクトをめぐって三菱重工業と争っている超過費用(請求額は7743億円)の負担問題など業績の先行きには不安も残る。

 英国での原子力発電事業の行方も懸念材料だ、英政府と英中西部アングルシー島で原子力発電2基の建設を計画しているが、安全対策の強化などで事業費が膨らみ採算が合わない可能性も指摘されている。「適切なリターンを得られる合理性の観点から判断する」(西山CFO)とするが、先行きの不透明感は拭えない。

 構造改革により稼ぐ力が高まる中、残る課題をどう解決していくのかに市場は注目している。(飯田耕司)