バンダイ、プラごみ削減に創意工夫 「カプセルトイ」にも梱包材なし

 
「だんごむし」の開発に携わったバンダイの誉田恒之氏=東京都台東区

 バンダイは、玩具製造に不可欠なプラスチックについて、商品開発の工夫でプラごみの削減を進め、成果を上げてきている。通称ガチャガチャの「カプセルトイ」は、ごみとなる梱包(こんぽう)材のカプセル自体をなくした“カプセルレス”商品を開発し、ヒット商品も誕生した。プラごみ削減と商品開発の両立という玩具会社らしい取り組みが注目されそうだ。

 カプセルトイは、「ガチャガチャ」と呼ばれる、自販機で買うカプセルおもちゃで、バンダイの1977年以来の累計出荷数は約35億個にもなる。ただ、カプセルは梱包(こんぽう)材のため玩具を取り出した後はごみとなる課題が以前から指摘されていた。

 ところが、カプセルの製造コストの高騰が転機となり、バンダイは2013年に見直しに着手。2つのプラスチック素材を組み合わせる設計を改め、単一素材でつくれるMONOカプセルを開発した。ベンダー事業部の誉田恒之アシスタントマネージャーは「コスト削減になった上、カプセル自体が薄くなりプラ使用量が減る効果も出た」と説明。今では大半がMONOに置き換わっている。

 一方、誉田氏らはカプセルを使わないカプセルレス商品の開発にも注力。玩具本体をカプセル代わりとして空洞に部品などを入れる仕組みを採用した。その工夫が消費者に新鮮な印象を与え、「15年の発売以来、商品数は既に40種類以上」(誉田氏)となっている。

 ヒット商品「だんごむし」もその中から誕生している。自販機から出るときは丸まった状態だが、本体を広げるとダンゴムシの姿に形を変える構造をリアルに再現。今年8月の発売以来品切れが続いており、「今年12月までに販売が約30万個を見込む大ヒット商品になりそうだ」(同)という。

 バンダイはこうした取り組みを通じ、16年は取り組み前の12年比で約1割以上ものプラごみ削減に成功した。

 また、空カプセルを回収、再資源化する取り組みも進めており17年度の収集量は約7.7トンに上った。これらを別のプラスチック製品に再生させる企業努力も続けられている。