KDDI、楽天に通信網提供 第4の携帯会社、全国展開可能に

 
楽天との連携について考えを示すKDDIの高橋誠社長=1日午後、東京・大手町

 KDDI(au)は1日、来年10月から4番目の携帯電話会社として業務を始める楽天と提携したと発表した。楽天が新規参入する際、KDDIが地方で基地局などの通信網を貸す。楽天は参入後すぐに全国でのサービス展開が可能になる。一方、KDDIは同日に来年4月開始を発表したスマートフォン決済「auペイ」で、楽天のスマホ決済の店舗網を活用する。

 楽天は東京23区、大阪市、名古屋市などの都市部を除く全域でKDDIの基地局を借り、自前の基地局整備が十分でない参入直後から全国でサービスを提供する。通信網の使用料を受け取るKDDIには値下げ圧力がかかる通信料収入の減収を補う狙いもある。

 またKDDIはスマホ決済やネット通販などで楽天の基盤を活用。auペイを楽天の決済サービスの加盟店で使えるようにするほか、KDDIのネット通販サイト「ワウマ」では楽天の物流インフラを使う。高橋誠社長は記者会見で「協力しながら競争するという考え方のもとで、お互いの資産を相互活用する」と提携の意義を述べた。

 KDDIが競合相手の楽天と提携するのは金融や娯楽など、非通信事業の強化を優先するからだ。高橋氏は「通信を中心に置きながら付加価値の高い取り組みをする」と、通信をてこにしたサービス多角化をにらむ。金融やネット通販に強い楽天が携帯電話事業に参入するのと同様の狙いだ。

 国内の携帯電話事業は大手3社の寡占で飽和状態にあり、人口減少の局面では将来の成長も見込めない。コストのかかるインフラ投資は協力して効率化し、サービス競争にシフトする転換点になりそうだ。

 一方、NTTドコモが通信料を2~4割下げた新プランを来春発表するとしたことについて、高橋氏は「昨夏にいち早く(携帯電話の端末代を値引きしない代わりに通信料を下げる)分離プランを導入し、すでに請求額は平均3割下がっている」と強調。追随しない考えを示した。分かりやすい料金体系への改定などは「総務省の有識者会議などの提言を踏まえて真摯に対応していく」と述べた。