エバートロンなどが生鮮品輸出実証試験 鮮度維持の最先端3技術を活用

 
エバートロン製の鮮度維持装置「フレッシュトロン」に1時間入れてから1カ月冷蔵したイチゴ(右)と何もせずに1カ月冷蔵したイチゴ

 電波振動技術を使った技術開発のエバートロン(東京都港区)や全国農業協同組合連合会(JA全農)、豊田通商、大阪大学など8企業・団体は、最先端の鮮度維持技術を3つ組み合わせた、国産生鮮食品の海外輸出のための実証プロジェクトを開始する。現状では農産物などの輸出の多くが航空便だが、約1カ月間鮮度を保持できれば、船による輸送や販売期間の延長で、輸出拡大に弾みがつくと期待されている。

 エバートロンは、電波で食品に含まれる水の分子結合構造を変化させて鮮度を維持する装置「フレッシュトロン」を独自開発した。冷蔵庫などに後付けでき、この装置に約1時間入れた生鮮品が1週間後もかびなどが発生しなかった。さらに果物など食材によっては、冷蔵で1カ月程度鮮度を維持できるとみており、実証試験を行うことにした。

 野菜や果物など生鮮食品の構造は、水分がなくなると組織が崩れ、食品に含まれる水は「結合水」と「自由水」に分けられる。

 このうち、結合水は食品の繊維と結びついて安定しているが、自由水は食品の中で自由に活動して時間が経過するとドリップのような形で流れだし、これが雑菌などと結びついてかびや腐敗の原因になっている。

 エバートロンが開発した電波振動技術は、自由水を結びつけて「連珠構造」とし、安定した形に変化させることで鮮度を保持できる仕組みだ。

 同社の技術に加え、大阪大学産業科学研究所が開発した食品の表面を殺菌する「超酸素水」や、食品の保管環境を最適に管理する「鮮度維持袋」も取り入れ鮮度管理能力を向上させる。

 まず、オークラニッコーホテルマネジメント(東京都品川区)傘下でオランダにあるホテルオークラアムステルダム内の日本料理店「山里」の料理長や、三重大学が鮮度を分析、評価する。

 また、豊田通商の物流子会社、豊通物流(名古屋市中村区)が生鮮品の輸送を手掛け、パナソニックの家電部門、アプライアンス社が温度や湿度など追跡情報の収集を担当する。

 日本政府は、2019年の農林水産物や食品の輸出額1兆円の目標を掲げているが、船便での輸送などが可能になれば、輸出拡大を後押しできると期待されている。