訪日観光、クルーズ船利用者が伸び悩み 20年に500万人達成、黄信号

 
横浜港に停泊するクルーズ船

 政府が成長戦略の柱に掲げる訪日観光で、クルーズ船利用者が伸び悩んでいる。今年はほぼ前年並みで推移し、年間300万人には届かないペース。このままでは2020年に500万人の目標達成に黄信号がともる状況だ。

 クルーズ船客は過去4年間、年25万~87万人増え、17年は253万人に達した。だが今年1~9月は、昨年同期比で5万人増の197万人(速報値)止まり。1~5月は計15万人増と堅調だったものの、6~9月が計10万人減となった。

 主因は台風、豪雨で相次いだ欠航や寄港中止。さらに「多くの船会社が中国市場に参入して価格競争が激しくなり、採算性の悪化で中国発の便が減った」(国土交通省)。とはいえ石井啓一国交相は「影響は一時的なものだ」と需要増を見込んだ対策に意欲をみせる。

 対策の柱は岸壁の長さ不足、旅客用施設がない殺風景な貨物エリアへの着岸といった現状の改善に向けたインフラ整備。岸壁や旅客ターミナルの整備費を負担した船会社が優先的に利用できる仕組みだ。鹿児島など7港で計画が進むが、取り組み拡大のため19年度予算で関連費の大幅増を目指し、財務省との折衝に力を入れる。