地銀、生き残り模索も見えぬ「正解」 細る収益、再編にも二の足
上場地方銀行の7割が2018年9月中間決算で減益・赤字に陥り、苦しい経営環境が浮かび上がった。人口減少と低金利の悪条件が重なって収益基盤は細っている。金融庁は地元企業との関係強化という「原点回帰」を呼び掛け、地銀同士の経営統合も後押しするが、打開につながるかは不透明だ。
「変化する環境を分析し、常に何が必要なのか考えてほしい」。今月12日、金融庁の遠藤俊英長官は大阪市内の会合で、地銀や信用金庫の首脳らに危機感を直接訴えた。全ての金融機関に通用するビジネスモデルの「解答」は存在しない。遠藤氏はこうした現実を突き付け、経営トップが自ら行動するよう促した。
金利低下が体力奪う
人口減少が進み、多くの地域で経済が活気を失う中、資金需要は低迷を続けている。加えて極度の金利低下が地銀の経営体力をむしばみ、金融庁幹部は「日銀の低金利政策による貸し出し利ざやの縮小がボディーブローのようにじわじわと効いている」と解説する。
スルガ銀行(静岡県沼津市)の不正融資問題も影を落としている。各地銀は収益機会を求め、首都圏などで投資向け不動産融資にこぞって参戦していたが「スルガが行政処分を受けたことで完全に風向きが変わった」(地銀関係者)。この関係者は、行内の審査が厳しくなって新規の融資がほとんど承認されなくなったと明かす。
地域の金融システムを維持するには地銀再編も選択肢になる。政府は今月開いた未来投資会議で、独禁法に例外ルールを設けて地銀の統合を柔軟に認める方針を打ち出したが、地銀の側は歓迎一色ではない。「もうからないもの同士がどれだけくっついてももうからない」。北国銀行(金沢市)の安宅建樹頭取は政府方針に公然と疑問を投げ掛けた。
金融庁「原点回帰を」
金融庁は持続可能なビジネスモデルの構築に向け、地元企業への融資という原点の大切さを訴え続けている。9月に公表した企業アンケートで、約3割の社が担保や融資保証を求められることが「なくなった」「減った」と回答するなど、地銀の一部に積極的な融資姿勢も表れ始めている。
だが地銀が抱える課題はそれぞれで、地元のしがらみとも向き合いながら生き残り策を模索しているのが実情だ。ある地銀関係者は「地元企業との関係を強化し、他行との再編も検討した。それでも明確な答えは見つからない」と苦悩をにじませた。
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