日産連合“カリスマ”退場で打撃必至 ゴーン氏逮捕、3社をまとめる扇の要失う
日産自動車とフランスの自動車大手ルノー、三菱自動車の会長を兼務するカルロス・ゴーン氏の不正行為が、3社の経営に計り知れない打撃を与えるのは必至だ。「カリスマ経営者」として知られるゴーン氏は、3社をまとめる“扇の要”で、ルノーを通したフランス政府による日産への経営介入にも防波堤としての役割を果たしてきた。日産が解職方針を発表したように、ゴーン氏が3社の役職を離れるのは不可避の情勢。3社連合の“崩壊”や新たな業界再編につながる可能性もある。
「私は18年間、日産の成長と強化に取り組んできた」
6月、横浜市で開催された日産の株主総会で、議長を務めたゴーン氏はこう語っていた。既に社長兼最高経営責任者(CEO)を西川(さいかわ)広人氏に譲り、会長になっていたが、事実上の最高権力者として君臨していた。
1999年にルノーから日産にきたゴーン氏は、工場の閉鎖や人員削減などのコスト削減を断行。必達目標「コミットメント」を掲げ、それを次々と実現しながら経営危機に陥っていた日産を立て直した。ルノーと株式を持ち合ったほか、2016年に不祥事で三菱自動車が窮地に陥ると、すばやく出資を決断して3社連合をつくり、そのCEOに就いた。17年の世界販売は3社の合算でトヨタ自動車を抜き去り、世界2位の企業グループとなった。
ゴーン氏の不在は、3社連合の先行きを不透明にしている。3社の結びつきは制度よりも、ゴーン氏の個人的なリーダーシップに依存していたからだ。ルノーの大株主である仏政府は、3社連合を継続するため、日産とルノーとの合併を模索しているとされる。ゴーン氏はこれを拒否していたとみられるが、ルノーから43%の出資を受ける日産が、独立を守れるかも今後不透明になりかねない。
ゴーン氏の辣腕(らつわん)には、陰りも見え始めていた。日産が掲げた17年3月期までの6年間の中期経営計画はほとんどの目標が未達に終わり、「コミットメント経営」は見る影もなくなった。今月公表した18年9月中間連結決算も、欧米での販売不振などで大幅な減益。株価も低迷している。
日産では、新車製造の最終工程である完成検査をめぐる不正も浮上したが、ゴーン氏がこの件について説明することはなかった。総会では、西川氏が責任者であるとする一方、「私はミスも犯すが、仕事に誇りを持っている」と、経営への真摯(しんし)な姿勢を強調していた。(高橋寛次)
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