「高力ボルト」不足深刻化、納期4倍に 五輪関連・再開発の建設、工期の遅れ懸念

 

 建物の鋼材などの接合に使用する「高力(こうりき)ボルト」の不足問題が深刻化している。

 国土交通省が22日発表したアンケート結果で、平均の納期が通常の約4倍の6カ月程度に延び、8割以上が「工期に影響あり」と回答した。

 東京五輪関連や都市再開発の建設が進む中、工期の遅れが懸念されている。

 高力ボルトは引っ張りに対する強度が高く、高層ビルや橋梁(きょうりょう)の建設に使用される。母材となる特殊鋼線材は自動車や工作機械にも使われており、機械生産が堅調に推移するのに伴い、建設用に十分回らなくなった。とくに今年の夏頃から納期の遅れが目立つようになったという。

 国交省が10月下旬から11月上旬にかけて実施した今回のアンケートには、建設会社や部材商社など305社が回答。3カ月後も同様の傾向が予想されるとしており、ボルト不足の解消には時間がかかりそうだ。