中国爆買いで段ボール不足 国内各社、原料調達困難

 
製紙会社の段ボール用古紙置き場

 年末商戦を前に段ボールが不足している。段ボールの原料となる古紙を中国が「爆買い」し、日本の製紙会社が調達困難に陥っているためだ。各社は海外から緊急輸入するなど、あらゆる手段で原料確保に努めているが、爆買いの背景には米中貿易摩擦も絡んでおり、先行き不透明な状況が続く。

 「綱渡り状態。今までこういうことはなかった」

 段ボール原紙大手、レンゴーの担当者は古紙の調達に頭を悩ませる。

 同社は9月、埼玉県八潮市の八潮工場で5千トンの減産を余儀なくされた。今も「苦肉の策」として欧米から古紙を一時的に輸入したり、原料の配合を調整して比較的調達しやすい種類の古紙を増やす、といった対策をとっているという。

 段ボール原紙大手はどこも似たような状況だ。日本製紙の野沢徹取締役は「『作りだめ』をできる範囲でやっているが、これ以上、注文に応じられない」と話す。

 中国政府は5月、環境対策のため不純物が多い米国産古紙の輸入を規制。8月には米国政府による関税発動の対抗策として、25%の報復関税を課した。その結果、米国産の対中輸出が減る代わりに、中国と違い回収の仕組みが確立されており、地理的な近さや品質の高さも魅力の日本産は輸出がさらに増えた。

 逼迫の背景には、中国政府に輸入枠を割り当てられた現地の製紙会社が、今年の枠を使い切らないと来年分が減らされると懸念し、消化を急いだ事情もある。

 製紙各社はコストを吸収するため、11月から原紙を一斉値上げした。年末商戦が近づく中、ネット通販利用者などの負担増につながる恐れもある。

 中国で輸入枠消化の動きが一段落し、ネット通販向けに段ボール需要が急増する独身の日(11月11日)も過ぎたことから、日本製紙連合会の矢嶋進会長(王子ホールディングス社長)は「(年内は)何とかなるとは思っている」と話す。それでも来年の輸入枠の動向がまだつかめない上、米中摩擦の行方次第で中国による日本産古紙の調達がさらに増える可能性も否めない。中国に振り回される局面は当面続きそうだ。(井田通人)