【ワークスタイル最前線】ウェブ対面営業じわり浸透 ベルフェイス、訪問重視の商習慣に一石

 
ネット環境があれば、すぐにウェブによる対面営業が始められる

 オフィスや自宅に居ながら営業活動を行う「インサイドセールス」と呼ばれる営業スタイルが注目を集めている。営業エリアが広く、合理主義の強い欧米では従来の「フィールドセールス」(訪問営業)に代わってインサイドセールスの比重が急速に高まっているが、国土の狭い日本は訪問重視の志向が依然強く、本格普及には至っていない。

 そんな中、日本企業に向いたインサイドセールスのツールを開発し、急速に実績を積み上げているのがITベンチャー、ベルフェイス(東京都中央区)だ。設立3年半で導入企業は800社に達し、日本の商習慣、働き方に一石を投じつつある。

 ベルフェイスが提供しているツールは、パソコンやタブレット端末、スマートフォンを通して顧客と互いの顔の動画を共有する、いわゆるウェブ会議システムの一種。ただ、既存のウェブ会議システムと異なるのは、徹底的に営業支援に特化している点にある。

 顧客の負担なく接続

 ウェブ会議システムはスカイプやグーグルハングアウトといった無料のものから、有料のものまで多岐にわたるが、接続するためにはいずれも顧客にインストールやメールのURL送付、またはIDの取得など、事前準備の負担を強いなければならない。「日本の営業マンは顧客に負担をかけさせることを嫌う傾向が強く、これもインサイドセールスの普及を阻む要因の一つになっている」とベルフェイスの中島一明社長は分析する。

 これに対し、ベルフェイスのシステムは、ブラウザー上で操作するので、パソコンなどネット環境があれば事前準備なしにすぐに接続できるのが売りだ。顧客が電話で4桁の番号を営業担当に伝え、営業担当がその番号をベルフェイスのサイトに打ち込むだけで、システムがわずか5秒で起動する仕組み。通話は電話で行うため、ウェブ会議システムにありがちな回線の断絶も起きにくいという。

 さらに、URLが要らずにデータの送受信が可能なファイル転送機能、営業スキルの標準化を図るトークスクリプト機能など、インサイドセールスに必要な機能を多数盛り込んだ。「録画、録音もできるので、ブラックボックスだった営業の可視化が可能になる。上司や同僚などと情報を共有化し、商談のスキルを上げていくこともできる」(中島社長)という。

 飛躍的に効率向上

 中島社長は「BtoB向けに特化しているが、月平均で600件の引き合いがあり、営業現場はオーバーヒート状態」とうれしい悲鳴を上げる。同社は営業の半分の人員を新規顧客のセールスに充てているが、もう半分は既存顧客に対するアフターフォローを担当させている。既存顧客の評価が高まれば、自然と引き合いが増えると判断しているためだ。将来はBtoCや海外への進出も検討するという。

 「インサイドセールスは営業の効率性が飛躍的に向上するのは間違いない。日本の商習慣をなんとか変えていきたい」と中島社長は意気込んでいる。