【生かせ!知財ビジネス】RWSグループ、国際ワンストップサービスで売上好調

 
RWSグループの本社がある住友浜松町ビル。好調な業績は女性社員の奮闘が支えている

 翻訳・知財サービス大手で英新興市場に上場するRWS Holdings plc(ロンドン、RWSHD)の日本法人、RWSグループ(東京都港区)は、2018年9月期の売上高が前期比12.1%増の11億4100万円と設立20年目で初の11億円台に乗せた。

 RWSグループの原真理恵社長は、好調の背景について「近年、海外出願を活発化させている日本企業のニーズとRWSHD傘下の企業グループが連携して提供する国際的なワンストップサービスがマッチし、徐々に浸透してきたためではないか」と分析する。

 例えば、複数国への出願・翻訳は、RWSHDの110カ国余りに及ぶ出願代理人(弁理士、知財弁護士)と翻訳者のネットワークによって一括発注できる。専用ポータルサイトを使えば、日本企業が持つ各国拠点からいつでも仕事の依頼が可能な上、企業ごとに依頼内容や経費などのデータが管理され、グローバル企業にとって使い勝手が良いサービスとなっている。

 また、過去の書類の原文と翻訳文を蓄積した各企業のデータベース(翻訳メモリー)を構築しており、翻訳文の質の安定化だけでなく、翻訳者の効率化にも寄与している。

 日本の翻訳業界は、トップの翻訳センターの売上高が18年3月期に106億円、ロゼッタが同2月期に20億円と上場企業の2強がリードし、3番手グループは混沌(こんとん)としている。RWSHDでは近年、知財分野同様に厳密性が求められる生命科学分野の言語ソリューションサービスで収益を伸ばし、17年9月期は前期比34%増の1億6400万ポンド(約238億円)を達成。18年9月期はさらに3億500万ポンド以上となる見込みだ。日本でも今後、同様のサービスを開始する予定で、業績への寄与が期待される。

 RWSグループは現在、正社員41人のうち6割超が女性。18年は6人が産休・育休を取り、女性活躍に伴う多くの課題を抱えつつ前進している。「働く女性の支援制度が議論されているが、経営者、正社員、パートと立場は違っても子育てと仕事を両立する際の厳しさは同じ。出産後も働き続けたいという女性本人の覚悟こそが重要。結果、個々に工夫も生まれる」と語る原社長も2人の幼い子供を育てながら、さらに売上高13億円台乗せを狙う。(知財情報&戦略システム 中岡浩)