【ハザードマップ】シェアハウス問題で資金繰り悪化した企業・老舗の看板を守る企業
▼ホーメスト ホーメストは11月27日、東京地裁に破産を申請した。
元東証1部上場で木造住宅メーカーだった殖産住宅相互(現殖産住宅)の新築住宅ブランド「ホーメスト」事業部門が前身。同社はテレビCM「ホーム、ホーマー、ホーメスト」のキャッチフレーズで知られていたが、民事再生の適用を申請したことで、同部門は建築リフォームのペイントハウス(現ティエムシー、2010年3月破産申請)に譲渡。その後、都内の不動産関連業者がペイントハウスおよびホーメスト(現ティティオー、10年3月破産申請)から事業譲渡を受けて設立された。
当初は設計施工一貫体制の家づくりを中心とした事業展開で、都市型住宅の施工販売をメインとしていた。近年はシェアハウス「かぼちゃの馬車」運営のスマートデイズの物件の施工を手掛けるなどして業績を拡大、16年3月期は売上高13億8928万円をあげた。
しかし、18年に入りスマートデイズの経営難により状況が一転。仕掛中の物件について施工契約を結んでいたシェアハウスオーナーからの建築代金が支払われなくなり資金繰りが悪化、金融機関からの資金調達も困難となり今回の措置となった。
▼ケー・エス ケー・エスは11月16日までに事業を停止し、金沢地裁へ破産を申請した。清酒「萬歳樂」の醸造メーカー。享保年間(1716年から1736年)創業の老舗で、ピークとなる1995年4月期には売上高87億7412万円を計上していた。
しかし、バブル崩壊による景気後退の影響や、コンビニエンスストア向け卸売り部門などの営業譲渡で、12年4月期の売上高は約7億7400万円まで減少した。
その後、海外輸出で売上高はやや回復したが、若年層の清酒離れによる業況は不安定で、度重なる赤字計上により財務体質は弱体化。16年11月に商号を現商号に変更すると同時にエム・ケー・エス(現小堀酒造店)に事業を移管し、今回の措置となった。
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【会社概要】ホーメスト
▽本社=東京都中央区
▽設立=2006年9月
▽資本金=1億円
▽負債額=9億1175万円
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【会社概要】ケー・エス
▽本社=石川県白山市
▽設立=1951年12月
▽資本金=2500万円
▽負債額=約23億5000万円
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〈チェックポイント〉
ホーメストはCMで培ったブランド力で2度の経営会社の破綻を経て生き残ってきた。しかし、シェアハウス事業に乗り出し拡大を図ったことが結果的に裏目に出た。サブリースオーナーとの訴訟はこれからも続く。一連のシェアハウス問題は金融機関や取引先を巻き込みながら、いまだ収束の気配が見えない。
ケー・エスは不採算事業を整理し、新会社へ事業を引き継ぐことで第2の創業を図る。280年の業歴のなかで育んできた伝統と実績がそれを可能にしたともいえる。老舗企業も伝統にあぐらをかいてばかりはいられない。時代に合わせて生き残り策を模索することが、老舗の看板を守るためには不可欠だ。(東京商工リサーチ常務情報本部長 友田信男)
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