【ハザードマップ】翔洋会/ラインコミュニケーションズ
設備投資負担重なり資金繰り逼迫
▼翔洋会 医療法人の翔洋会は11月30日、福島地裁いわき支部に民事再生法の適用を申請した。
1968年6月磐城中央病院として開業。80年8月に法人化し、87年4月から翔洋会に商号変更した。磐城中央病院を核として日本化成クリニック、介護老人保健施設ヘルスケアホームいわきなどを展開し、小名浜地区を代表する医療サービス業者として成長した。2008年3月期には約15億4600万円の売上高を計上していた。
16年6月には施設の老朽化などから磐城中央病院付属診療所と日本化成クリニックの営業を終了。その代替として新たに磐城中央クリニック、小名浜中央病院、ケアレジデンス小名浜を開設するなど積極的な設備投資を行い、18年3月期は約17億円の売上高を計上した。
しかし、過去からの借入負担が重かったうえに、新たな設備投資分の借入負担が加わったことで資金繰りは逼迫(ひっぱく)した。今後の資金繰りが好転する見通しも立たないことから、今回の措置となった。
▼ラインコミュニケーションズ ラインコミュニケーションズは11月21日、東京地裁から破産開始決定を受けた。
同社はグラビアアイドルのイメージDVDを主力とした映像、出版メーカー。DVDメディアの普及とイメージビデオの人気により、過去には小倉優子さんや安田美沙子さん、熊田曜子さんといった人気アイドルのDVDを制作し、2005年12月期は約6億700万円の売上高を計上した。
しかし、その後はインターネットメディアの台頭により従来のイメージDVDの販売が低調に推移。08年12月期の売上高は約3億5400万円まで減少した。
09年に事業基盤の強化を目的に、主力のイメージコンテンツの制作を番組制作関連の企業が出資するラインコミュニケーションズ(東京都港区)に移管。以後、当社は事業を停止し休眠状態となっていた。
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【会社概要】翔洋会
▽所在地=福島県いわき市
▽設立=1980年8月
▽従業員=250人
▽負債額=約61億円
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【会社概要】ラインコミュニケーションズ
▽本社=東京都渋谷区
▽設立=1994年3月
▽資本金=5500万円
▽負債額=精査中
〈チェックポイント〉
翔洋会は医療法人の倒産としては今年最大となった。2018年の病院・医院の倒産は11月までで累計41件で、前年同期比で6割増加。設備投資負担を吸収できないケースも多い。過疎化の進行で、地域によっては医療の不足が指摘される一方、需給ミスマッチで過当競争にさらされる医療機関も頻発している。
ラインコミュニケーションズは映像制作事業を新スポンサー出資の新会社へ移管、休眠状態の旧会社を整理した。オンラインを通じた動画配信の普及で、映像コンテンツ市場は主力のDVDから大きく変容した。顧客の消費形態が変わるとともに、制作会社やレンタル店など関連業界にも影響を及ぼしている。(東京商工リサーチ常務情報本部長 友田信男)
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