ライザップ、M&A路線転換 赤字から体制刷新、経営スリム化

 
記者会見後、握手するライザップグループの瀬戸健社長(左)と松本晃氏=5月、東京都千代田区

 フィットネスクラブ運営を主力とするRIZAP(ライザップ)グループが赤字転落から体制を刷新して出直す。M&A(企業の合併・買収)に依存した成長戦略を見直し、経営をスリム化。カルビーから招いたプロ経営者、松本晃氏の主導でコーポレートガバナンス(企業統治)強化などの構造改革を進めるが、急激な路線転換には戸惑いの声も出ており、瀬戸健社長の実行力に注目が集まる。

 企業文化見直し

 ライザップは瀬戸氏が2003年に始めた、おからクッキーの販売が祖業だ。その後、健康ブームによる競争激化で売り上げが落ちたピンチを救ったのが07年に買収した美容機器の会社だった。こうした経験からM&Aは企業文化として根付く。12年に開始したフィットネスクラブ事業がテレビCM効果で急成長した後も姿勢は変わらず、近年は買収ペースを加速。16年3月末に23社だったグループ会社は18年9月末に85社まで拡大した。

 17年3月期に国際会計基準(IFRS)を採用し、M&Aは好業績を演出した。買収額が買収先の純資産を下回った場合に差額を「負ののれん」として営業利益に計上できる。18年3月期の営業利益135億円のうち、過半がこうした会計手法による利益だった。

 19年3月期もM&Aによる増益を見込んでいたが、そこに疑問を呈したのが瀬戸氏に招かれて最高執行責任者(COO)に就いた松本氏だ。買収した会社を視察し「おもちゃ箱のような会社と思っていたら、壊れたおもちゃもあった」と問題点を指摘した。

 買収先にはゲーム・音楽ソフト販売のワンダーコーポレーションなど本業との相乗効果が見込めない上に再生が難しい企業もある。松本氏は「不況産業はよっぽど優秀な人がやってもしんどい」と苦言を呈する。瀬戸氏はM&A凍結に踏み切った。

 重点事業を取捨選択

 ライザップは19年1月から経営体制を抜本的に改めて再スタートする。重層的だった指揮系統を整理し、社内の取締役は9人から瀬戸氏と松本氏の2人だけにする。松本氏は代表権も返上し、瀬戸氏に権限が集中する。関係者は瀬戸氏と松本氏の二人三脚に変化はないと強調するが、市場からは「松本氏が取締役からも退任すれば再建は頓挫する」(証券会社担当者)との懸念が出ている。

 同社は重点事業を取捨選択し堅調なフィットネスクラブ事業などに経営資源を集中する方針だ。ただ社内には「これまでの多角化方針からの急な変更で驚いた」との声もある。リストラなど痛みを伴う改革は避けられず、瀬戸氏の手腕が問われる。

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【会社概要】RIZAP(ライザップ)グループ

 瀬戸健氏が2003年に設立した「健康コーポレーション」を土台とする企業グループ。「結果にコミットする」をキャッチフレーズに急成長した個人指導型のフィットネスクラブ「RIZAP」の運営会社が中核を成す。ほかに健康食品販売、アパレル、出版など幅広い事業会社を傘下に抱える。06年に札幌証券取引所の新興市場アンビシャスに上場した。