【2019 成長への展望】資生堂社長・魚谷雅彦さん(64)
■「謙虚な自信」でグローバル化を加速
--2018年の世界経済を振り返って
「経済的には力強かった。ただ米中貿易摩擦が激化する中、ここにきて中国で自動車販売が減少するなど減速感が強まっており、不安要素になっている。19年は慎重にみないといけない。国内は化粧品という自分たちのビジネスから眺める限り、堅調だったと思う。第3四半期(7~9月期)のインバウンド(訪日外国人)向け販売は自然災害のため伸び率が少し減ったが、もともと日本人消費者も購入しており好調だ」
--18年12月期の連結営業利益は1100億円と、初めて1000億円を超える見通しだ
「14年に策定した6年間の中長期経営ビジョンで、20年12月期の連結売上高1兆円、同営業利益1000億円を目標に掲げた。最初の3年でさまざまな課題に対処したおかげで足腰が強くなり、1兆円の売上高は17年12月期に達成した。営業利益の1000億円は、再投資できる資金が増えるという意味でさらに意義深く、一つの区切りになった感はある。だが、これで終わりではない。次に何をすべきか常に考えている」
--昨年10月から本社部門で英語を公用語化した
「会議や社内文書を英語に切り替えたが、社員は期待した以上に前向きに取り組んでくれている。英語研修などのプログラムを受けた社員は約3000人に上る。ただ、公用語化はグローバル化のために踏み切るのではない。個人の変革を促すのが最大の狙いだ」
--4月に横浜市で新研究所をオープンする
「これからよりグローバルな企業になり、世界で存在感を高めていくなら、研究開発力こそが競争の源泉になる。それがあって初めてマーケティングなども生きる。資生堂にとって新研究所は生命線になる。イノベーションを起こす環境を作るには、(人材育成など)ソフト面の強化が大事だ」
--旺盛な需要への対応が課題となっている
「大阪と栃木の新工場建設以外に、掛川工場(静岡県掛川市)の新棟建設などの対策を打ち出した。今も(供給が追いつかず)顧客や得意先にご迷惑をおかけしている。安定生産態勢の確立に努め、『メード・イン・ジャパン』を求める顧客の要望に応えたい」
--今年の抱負は
「キーワードは『謙虚な自信』だ。改革を進めたこの4年で自分たちにはできると自信がついてきたし、外部からも資生堂は元気になったといわれる。だが供給体制の整備などを含め、目標とする『世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニー』を実現するためにやるべきことは多い」
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【プロフィル】魚谷雅彦
うおたに・まさひこ 同志社大文卒。1977年ライオン入社。日本コカ・コーラ会長などを経て、2014年4月から現職。奈良県出身。
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