日系企業と学生をマッチング 熊本のNPO法人、タイで採用サイト開設
多数の日系企業が進出しているタイで、就職を希望する大学生と企業をつなぐ採用サイトを日本のNPO法人が始めた。企業にとっては学生に直接アクセスすることで人材のミスマッチを防ぎ、人材派遣会社などに支払っていた手数料を節約できるメリットがある。優秀な大学生の獲得競争が激しい日系企業の間で関心を呼びそうだ。
サイト「hataraku9.com」を開設したのは、NPO法人「HR JAPAN」(熊本市)で、タイ国立チェンマイ大やカセサート大など計8大学の学生が対象。学生がタイ語や英語で履歴書や志望動機などを記したエントリーシートをサイトに登録する。昨年11月下旬までに約1300人の学生らが登録している。
日系企業は無料でPR情報を掲載できるほか、年会費5万バーツ(約17万円)を支払えば、登録した学生に直接連絡を取って採用することが可能となる。アクセス数や採用人数に制限はない。学生にとっても企業情報の入手や比較が簡単にできる点が魅力のようだ。
「HR JAPAN」は、学生を対象にあいさつや時間厳守、来客対応といったビジネスマナーの講習も行っている。日系企業を招いたワークショップも各大学で開催。バンコクにあるカセサート大で昨年11月下旬に開かれたワークショップには学生約30人が参加し、企業担当者の話に熱心に聞き入っていた。
学生からは「日系企業では休む間もなく働き続けるとの印象があったが、実際は異なることが分かった」との声が上がり、「就職に向けた情報収集の場として役立つ」と高く評価する男子学生もいた。
「HR JAPAN」によると、タイに進出している日系企業は6000社以上。藤井誠代表理事は「(日系企業にとって)タイの大学生は最高の顧客であり、ビジネスパートナーだ」と話す。今後は参加大学数を増やし、学生と企業の連携強化を一層進めたいと意気込みを語った。(バンコク 共同)
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