日本植物燃料、国連機関と連携 モザンビークで電子農協を展開
日本植物燃料(NBF、神奈川県小田原市)は、6月にも東アフリカにあるモザンビークで国連機関の世界食糧計画(WFP)とともに、農協のサービスをスマートフォンのアプリで実現する「電子農協プラットフォーム」事業に参画する。WFPは内陸部のテテ州で学校給食の支援事業を通じて農家から農産物を買い付けており、同国で農業資材販売の実績があるNBFと組み、生産効率化によって農家を育成する。
アプリで農家を支援
新たに着手する事業は、スマホにアプリをダウンロードすれば、農作物を購入したいバイヤーと農家などをマッチングしたり、肥料や種子を販売したい農業資材メーカーと農家を仲介したりする。農家は数十人規模でまとめ、代表者がスマホを持つ仕組み。購入履歴や与信情報も収集でき、少額融資事業も行う。
これまでは地方農家が野菜を植えたくても、近隣で種子や肥料を入手できなかった。一方の農業資材メーカーも農家のニーズや需要を予測できず、市場開拓ができなかった。こうしたニーズをスマホ上で仲介する。
「農家も農産物販売の適正価格が分かり、生産性の高い農業を実現できる。一方のバイヤー側も量の確保や需要予測が可能になる」とNBFの合田真社長は強調する。
支払いは電子マネーに加え、同国の携帯大手3社のモバイルマネーや銀行口座とも連携する。現在、首都マプト郊外とインドで実証試験をしており、モザンビーク内陸部のテテ州で本格稼働させ、北東部にあるナンプラ州などにも広げる考えだ。
NBFは、ナンプラ州北側にあるカーボ・デルガド州の無電化村で充電型ランタンのレンタルのほか、日用雑貨を扱う店舗「キオスク」や電子マネーシステムの運営を手掛けてきた。中部のマニカ州では、国連食糧農業機関(FAO)が同システム上で補助金を農民に支給、NBFが農業資材を販売している。
モバイルマネー普及
スマホを使ったモバイルマネーも普及し始めているが、通信インフラが未整備で電波が途切れると決済履歴を記録できない弱点がある。そこで途上国向け電子マネーシステムを採用し、停電でもカードと店舗に履歴が残るようにした。
事業は苦難の連続で、キオスクでは売り上げの一部が消える事件も日常茶飯事だ。地元民は「妖精の仕業」と口をそろえ警察も機能しない。だからこそ電子マネーによる預金機能のニーズがあったともいえる。
合田社長が将来目指すのは、収益分配型のモバイル銀行だ。先進国の銀行のように貸し出しの利ざやで稼ぐのではなく、電子マネー利用の決済手数料のうち、約1%を預金者に、約19%を村などの共同口座に振り込み、意見を集約して必要なインフラや設備の投資に回す。「生活水準の向上に貢献する、金融とIT(情報技術)を融合したフィンテックの銀行を目指す」と意気込んでいる。
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【会社概要】日本植物燃料
▽本社=神奈川県小田原市千代655番地
▽設立=2000年1月
▽資本金=約2億4000万円
▽事業内容=植物油の研究開発・販売、モザンビーク現地法人ADMで電力事業や電子マネー事業を展開
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