【2019 成長への展望】新規路線好調、国際線での成長を柱に ANAHD・片野坂真哉社長

 
ANAホールディングス片野坂真哉社長

 --パイロットの飲酒問題で、2018年は国土交通省から文書での厳重注意を受けた

 「行政指導を受けたことを非常に重く受け止め、信頼の回復と再発防止に全力を挙げる。なかでも、お酒の弱い人に対するケアなど対策を出すように言われているので、しっかり取り組んでいく」

 --業績面では18年度上半期は初の売上高1兆円突破と好調だった。今年の事業環境をどうみているのか

 「旅客も貨物も航空需要は堅調だった。今年は米中貿易摩擦、英国の欧州連合(EU)離脱など不安要素はあるが、世界はリスクを認識しながら何とかしようと努力していて、雪崩を打って悪化することはない。訪日外国人旅行者は昨年、自然災害があっても1カ月程度落ち込んだだけで回復に向かった。流れが大きく止まるとは考えにくい。人や貨物の移動はグローバルになっているので、航空需要は今年も期待できる」

 --18年度からの中期経営計画、進捗(しんちょく)状況は

 「国際線で成長することを柱にしたが、20年あたりに国内線の売上高を抜く。今年は2月に羽田-ウィーン、9月に成田-パースを新規就航するが、この数年の新規路線は最初から好調で、国際線で成長するとの柱は今後も基本。ピーチ・アビエーションとバニラエアの統合も本格化するが、準備は着々と進行中だ」

 --成田ハワイ線に超大型機A380を5月から順次導入し、座席供給量が増大する

 「首都圏発ハワイのシェアは25%、年間利用率は90%前後。座席供給量が増える分、マイレージ無料航空券が使えるようにする。ファーストクラスの導入で富裕層も取り込み、誰もが満足できる路線にしたい」

 --国交省が地方航空会社の持続可能な在り方を検討し、昨年12月に全日空と日本航空、地方航空会社3社が有限責任事業組合(LLP)の立ち上げで合意した

 「人口減少の中、路線維持に補助金頼みにならない新しい地方航空をつくろうとの構想には当初から賛成の立場。合意できて良かったと思うし、これは大きな節目だ。会社の歴史をはじめ、個社の状況の違いやLLPの意思決定のスピードを不安視する向きもあるが、できるだけ早くスタートして進めることが大事だ」

 --外国人材の受け入れは航空業も対象だ。どう対応するのか

 「グランドハンドリングや整備部門は人手不足が想定される分野なので、対象となったのはありがたい。大切なのは外国人材がしっかり生活できる環境づくりだが、われわれはミャンマーから航空関係の研修生を受け入れており、なじみもある」

【プロフィル】片野坂真哉

 かたのざか・しんや 東大法卒。1979年全日本空輸入社。同社人事部長、常務、専務、ANAHD副社長などを経て2015年4月から現職。鹿児島県出身。