【2019 成長への展望】スポーツ振興、アジア経済連携に重点 関西経済連合会・松本正義会長
--今年は2025年国際博覧会(万博)の大阪開催に向けて本格的な準備に取りかかる年だ
「テーマに基づいた計画の具体化に向けて有識者が議論する必要があるが、誰をどのように集めるのか、まず旗振り役を決めなくてはならない。また、海外から出展を募るには、テーマをよく理解してもらう必要があるが、政府の力を借りないと難しい」
--会場建設費の民間負担分(約400億円)はどのように調達するのか
「(1月に設立される)日本国際博覧会協会が受け皿になるが、関経連と経団連が中心に集めざるを得ないだろう。集金に当たっては、重複がないよう経済団体同士で調整する組織も必要だ。さらに、クラウドファンディングで市民に(拠出を)お願いできれば、開催への意識付けにもなる」
--企業ごとの寄付額をどのように決めるのか
「経済団体や業界団体ごとに会員企業の資本金や売上高、利益など割り当ての基準があり、今回も同様のルールによって算出されると思う」
--昨年12月に関西3空港懇談会が8年8カ月ぶりに開催されたが、今年春ごろの次回に向けた方針は
「神戸空港について兵庫県が提案した段階的な国際化をどれだけ実現できるかが焦点だ。生涯スポーツの祭典『ワールドマスターズゲームズ』が関西で開かれる21年までに国際定期チャーター便を就航させたいという要望も考慮に入れたい。関西国際空港の周辺自治体の感情にも配慮しながら、慎重に議論を進めたい。3空港を運営する関西エアポートの意向と軌を一にすることが大事だ」
--今年は関経連として3カ年の中期計画の2年目。関西の成長産業を育成する取り組みで特に注力するのは
「スポーツ産業の振興、アジアとの経済連携に重点を置いている。スポーツでは、経済団体と自治体、スポーツ団体、専門家などの21団体・個人が連携する『関西スポーツ振興推進協議会』を昨年12月に設立した。スポーツ大会を招致する専門組織を今年にも設置するほか、トップアスリート育成に向けて、東京に置かれている強化施設『ナショナルトレーニングセンター』の関西設置を国に働きかける。アジアとの連携では、アジア各国の経済団体などと連携してビジネス創出につなげる取り組み『アジア・ビジネス創出プラットフォーム』を、19年度から本格化させる。観光や農業、医療・介護などの分野ごとに部会設置を進めており、4月に第1回全体会議を開く」
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【プロフィル】松本正義
まつもと・まさよし 一橋大卒。1967年住友電気工業入社。常務、社長を経て2017年6月から会長。同年5月から関西経済連合会会長。兵庫県出身。
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