【2019 成長への展望】IPO支援ビジネスのブランド強化 大和証券グループ本社・中田誠司社長

 

 --株式市場の展望は

 「国際通貨基金(IMF)が世界の成長見通しを引き下げたが、米国は今年も2%半ばの成長率が巡航速度で想定される。日本も消費税率引き上げがあるが、政府の対策もあり、駆け込み需要とその反動は一定程度、なだらかになるのではないか。いま市場が不安視しているような成長トレンドの大きな変化はなく、リスクオフモードから修正されるとみている」

 --昨年はガバナンス(企業統治)が話題となった

 「当社は日本で初めて持ち株会社に移行した上場企業で現在、報酬委員会、指名委員会、監査委員会を設置。委員長も全て外部の人材で、仕組みはできている。ただ、なぜ企業不祥事が起こるのかというと、企業に根付いているDNA、カルチャーが大きい。当社も体制を細分化することよりも、どんなときもルールを守るという根底部分をもっと強化したい」

 --持続可能な開発目標(SDGs)に関する最近の取り組みは

 「3カ月に1回、私を委員長とした推進委員会を開いてさまざまな角度から議論している。(国連の掲げる)17目標をカテゴリー別の4つに分類して進めている。新規事業、既存事業を展開するとき、必ず『この事業はSDGsに照らすとどうなのか』という視点を入れるようにしている。SDGs推進に向けて何ができるかという応募を社員に募ったところ、1500以上のいろんなアイデアが出てきた。これを整理して次の中期計画から一つの達成目標としてロードマップを作ろうかと検討している」

 --各業界で定年延長が話題になっているが

 「営業職では、70歳まで働けたのを上限撤廃した。支店に70歳になる営業員が1人いて元気に営業しており、この方が手を挙げると上限撤廃の適用第1号になる。ただ、誰もが65歳まで、70歳までというのではないと思っている。一度だけの人生、十人十色のライフプランがあるわけで、長く働きたい人には働ける制度を用意するけど、第2の人生を歩みたい人には歩めるような、社員の方にオプションがある制度がいい」

 --新規上場(IPO)支援ビジネスについては

 「さらに強化したい。今年、来年までは日本のIPO市場はそこそこ活況になると想定している。IPOは、IT系が多いが、楽天やヤフーが出てきたITブームのときから、IPOの世界では『ITなら大和』というブランドができていると思っている。今後はさらに、『IPOなら大和』というブランドをいかに作っていくかが鍵になる」

【プロフィル】中田誠司

 なかた・せいじ 早大政経卒。1983年大和証券入社。同社商品戦略部長、専務を経て2016年大和証券グループ本社副社長、17年4月から現職。東京都出身。