アップル9四半期ぶり減収 10~12月期、中国減速でスマホ鈍化
米アップルのロゴ(AP)
【ワシントン=塩原永久】米アップルが29日発表した2018年10~12月期決算は、売上高が前年同期比4.5%減の843億1千万ドル(約9兆2千億円)となり、9四半期(2年3カ月)ぶりの減収だった。中国の景気が減速する中、スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の販売が落ち込んだ。最終利益も0.5%減の199億6500万ドルと、2年ぶりに前年実績を割り込んだ。
同日公表した19年1~3月期の売上高の見通しは、550億ドル~590億ドルと想定。「市場予想の平均を下回る」(ロイター通信)ことから、業績の伸び悩みが長引く恐れも出ている。
地域別の売上高では、台湾と香港を含む中国圏が27%減の131億6900万ドルと大きく落ち込んだ。主力の米国が5%増の369億4千万ドル。日本は5%減の69億1千万ドルだった。
アップルは今回の業績発表から、同社の売上高の約6割を稼ぎ出す主力製品であるアイフォーンの販売台数の公表をとりやめた。アイフォーンの売り上げは高価格帯の新モデルへの買い替えが進まず15%減った。
一方、タブレット端末「iPad(アイパッド)」が17%増、パソコン「Mac(マック)」が9%増。音楽配信やアプリ販売などサービス事業が19%増と業績を下支えした。
ティム・クック最高経営責任者(CEO)は声明で「売り上げが見通しを下回り残念だが、私たちは長期的な観点で経営に臨んでいる」と述べた。
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