QRで資材搬入・後払い決済 ローカルワークス、中小建設業向け新サービス

 
後払い決済サービスによる資材購入。スマートフォンでQRコードを読み取るだけで簡単に取引できる

 建設業界に特化したソリューション事業を手掛けるローカルワークスは、売掛金回収保証と資材購入などの後払い決済サービスに参入した。建設業界は個人事業主や中小企業が圧倒的に多く資金力が脆弱(ぜいじゃく)なため、金銭トラブル解消に貢献すると期待されている。将来は取引実績データを活用して、金融、物販、物流など幅広い事業を展開し、中小建設事業者活性化に寄与する。

 売掛金回収保証は、建設事業者が着工前にインターネットで同社に申し込むと、3~5日で可否や限度額が通知される。保証料は工事代金の1.9%からで業界最安値。保証を掛けていることが取引先に知られることはない。取引先の支払い遅延や不払いなどで未回収が発生した場合、上限1000万円まで保証される。

 後払い決済サービスは、スマートフォンのQRコード読み取りによる簡単な操作でキャッシュレスでの資材購入が可能。ホームセンターなどの店舗でも、既存レジやPOSシステムの改修が不要なため、初期費用を抑えて導入できる。決済は月末一括で請求するので、経理業務負担が軽減される。

 国内の建設市場規模は約52兆円で、自動車の約62兆5000億円に次ぎ、医療、不動産、生命保険などを上回る。一方で、ほとんどを個人事業主や中小企業が占めている。国土交通省によると工事紛争内訳の65%が金銭トラブルとなっている。このため経営体力の乏しい事業者のなかには下請けへの支払いができなくなり、連鎖倒産を起こすケースもある。

 同社は2016年に価格を比較してリフォーム事業者を選ぶBtoC(一般消費者向け事業)サイトを立ち上げて建設業界向けサービスに参入。その後、工務店や職人を探してマッチングするBtoB(企業間取引)などサービス領域を広げてきた。

 建設業界の信頼性の不透明さと資金繰りの不安定さに対して、事業者の取引実績や稼働状況などを業界全体で共有し、活用するプラットフォームを構築して課題解決を図る。

 清水勇介社長は「これまでの事業者との取引データを活用し、建設業界向けに金融、物販、物流など幅広いサービスを一貫して手掛けていく」と将来像を語る。21年の売上高は、現在の20倍に伸ばしたい考えだ。

【会社概要】ローカルワークス

 ▽本社=東京都品川区東五反田2-8-3 五反田ASビル2階

 ▽設立=2014年2月

 ▽資本金=3億6189万円 (資本準備金含む)

 ▽従業員=22人

 ▽事業内容=建設業界向けソリューション