【トップは語る】Jトラスト リスクを取ってチャンスを生かす

 

 □Jトラスト社長・藤澤信義さんに聞く

 --子会社を通じて3月、アイドルグループ「SKE48」事業を買収した

 「SKE48は東海3県の地元密着で活躍し、根強いファンを持っており収益基盤はしっかりしている。今まで通りに事業を展開するが、芸能プロダクションや番組制作会社など芸能関連子会社との相乗効果を期待しており、今までにないエンターテインメント事業を創出する。知的財産としてマスマーケティングにも生かす」

 --サッカーJ2リーグ「FC岐阜」については

 「SKE48と同様、地元を大切にしたいから私個人が筆頭株主になった。J1昇格まで数年かかるだろうが、盛り上げるためSKE48を集客に生かしたい。集客やイベントを通じ地域活性化の手伝いができる。人口減にはあらがえないが、地元の企業や金融機関などとアライアンスを組んで元気になる仕組みを提案していく」

 --シンガポールから日本に拠点を移した理由は

 「海外展開が目的で2013年に統括会社をシンガポールに設置し私の拠点を移したが、インドネシアでの銀行事業など一定の役割を終えたため1月に東京に戻った。会社を根本的にたたき直す狙いもある。シンガポールからのテレビ会議では熱意が伝わらず意思疎通が難しい。報告や連絡、相談といった企業として基本的なことができていないと感じた。一からやり直し、活気あるオフィスにする」

 --社員に求めることは

 「評論家はいらない。言う人ではなく、実行する人が必要だ。M&A(企業の合併・買収)などを通じてグループインした企業は少なくなく、それだけチャンスがある。失敗から学ぶことは多いし、失敗しても取り返せばいい。リスクを取って、それぞれの場所で力を十二分に発揮してほしい」

【プロフィル】藤澤信義

 ふじさわ・のぶよし 東大医卒。在学中からアミューズメント事業に携わり、2001年不動産担保融資会社に就職。ファイナンス事業、投資会社などの取締役を経て11年6月から現職。岐阜県出身。