東芝、半導体350人追加削減 19年3月期、営業益58%減

 
決算内容について説明する東芝の車谷暢昭会長兼CEO=13日午後、東京都港区の東芝本社

 東芝は13日、半導体部門の約350人を追加で削減すると発表した。早期退職者を募る。半導体市況の悪化を受け、営業損益が赤字に陥っている高密度集積回路(LSI)事業の黒字化へ合理化が必要と判断。2022年3月期の営業利益を19年3月期から2000億円超引き上げる目標を掲げており、リストラを急ぐ。

 東芝は今年3月末までに本体やエネルギー事業などの社員を対象に約1060人の早期退職者を募集。823人が応じて退職したという。半導体部門の新たな削減は9月末までの退職を想定し、24年3月期までにグループで7000人を減らす従来計画に上乗せする。記者会見した車谷暢昭会長兼最高経営責任者(CEO)は「今回は中国(経済)の状況に緊急的に対応した」と指摘。大きな市場変動がない限り、今後は早期退職制度を活用しないと説明した。

 東芝は照明事業を手掛ける東芝ライテック(神奈川県横須賀市)の沼津工場(静岡県沼津市)を閉鎖するなど、生産拠点の再編も進めている。

 同時に公表した19年3月期連結決算は売上高が前期比6.4%減の3兆6935億円、最終利益は26.0%増の1兆132億円。半導体メモリー事業の売却益約9700億円を計上し、最終利益は過去最高となった。本業のもうけを示す営業利益は58.9%減の354億円。

 また東芝は13日、社外取締役を7人から10人に増やすと発表した。うち外国人が4人。社内取締役は車谷氏と綱川智社長の2人のみとなる。6月の定時株主総会で諮る。