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「アイデアが尽きてきた」 ハウステンボス社長退任の沢田氏

 長崎県佐世保市の大型リゾート施設「ハウステンボス(HTB)」の社長を約9年間務めてきた沢田秀雄氏(68)が21日、代表権のない会長に退いた。経営破綻後に業績が低迷していたHTBの再建を進め、「沢田マジック」と称賛された。だが、近年は中国の投資会社からの出資計画が頓挫するなど迷走気味だ。

 HTBは2018年10月~19年3月の半年間の入場者数が前年同期比6.5%減の約130万4000人と低調。後任に就いた坂口克彦社長(64)は集客を強化し、早ければ2年後にも東京証券取引所第1部への株式上場を目指す戦略だ。

 「来る前はずっと赤字だった。今は利益が出ている」。沢田氏は今月15日の記者会見で、会長兼社長を務める旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)がHTBを支援し、自身が立て直しを指揮したと胸を張った。一方、最近は大きな話題を呼ぶイベントは乏しく、「アイデアが尽きてきた」と悔しさをにじませた。

 地元から「劇的なV字回復」(佐世保市の朝長則男市長)と称賛された業績も、19年3月中間決算(単体)は本業のもうけを示す営業利益が22.9%減と振るわない。

 重点市場の中国からの集客強化に向け、沢田氏は昨年12月に中国企業から約25%の出資を受け入れると発表。「最低でも20万人前後を中国から送るよう力を入れてもらえる」と意気込んだが、今年2月に白紙撤回を表明した。また、恐竜を倒すゲームを楽しめる無人島の新施設は地元漁協との調整不足が響き、開業が昨年4月から同7月へずれ込んで昨年の大型連休に間に合わなかった。

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)をめぐり、沢田氏はかつて海中でのカジノ設置に意欲を表明していた。だが、今年4月に「IR事業者として手は挙げない」と強調し、言行不一致と受け取れる結果に首をかしげる向きも出ている。