成田、顔パスで搭乗手続き 顔認証技術活用、来春に本格導入
NECと成田国際空港会社(NAA)は31日、NECの顔認証技術を活用して「顔パス」で搭乗手続きが行えるシステム「OneID」を公開した。来春から成田空港で導入される予定で、2020年東京五輪・パラリンピックを控え、搭乗手続きの時間短縮や職員の省人化を図る。空港での顔認証による搭乗手続きの本格導入は日本で初めて。
新システムでは、空港でのチェックイン時に、本人の同意を得た上で、専用端末で顔写真や旅券・搭乗券の情報を登録。その後の手荷物預け入れや保安検査場入り口、搭乗ゲートで旅券や搭乗券を提示せずに、カメラによる顔認証で手続きを進めることができる。保存された顔写真のデータは搭乗後にサーバーから削除されるという。
NAAによると、既に顔認証による搭乗手続きを本格導入しているのは、シンガポールのチャンギ国際空港と米国のアトランタ国際空港。成田空港は、訪日需要の高まりなどで旅客者数が増加傾向にあり、特に午後3時から7時までのピーク時間帯の混雑に拍車がかかっていることから、顔認証システムの導入を決めた。
NAAの浜田達也常務は「成田空港は都心から少し遠いといわれているが、空港に着いたらすぐに手続きが終わって便利だと思われるような空港にしたい」と強調する。
成田空港では、まず全日本空輸と日本航空で導入し、順次利用できる航空会社を拡大する方針だ。ただ、保安検査後の出国審査で、昨年10月からパナソニックの別の顔認証システムが導入されており、改めてパスポートを取り出して専用端末に読み込ませる必要がある。出国審査は入国管理局の管轄のため、現状ではシステムの統一運用は難しいが、「将来的には顔認証が1回で済むよう関係機関と協議していく」(浜田氏)としている。
一方、NECは、顔認証システムを空港内だけでなく、空港に連絡する交通機関や免税店などでも利用できるよう想定。紙による申し込みや旅券の確認といった煩雑な手続きをなくし、短時間でスムーズにサービスが受けられることを目指す。和歌山県の南紀白浜空港では地域のホテルや商業施設などが参加した実証実験も行われており、NECの石黒憲彦副社長は「ホテルのチェックインやコンビニの決済、テーマパークの入退場にも対象を広げたい」と強調している。
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