生かせ!知財ビジネス

評価システムにラーニング検索機能

 AI Samurai・白坂一社長に聞く

 人工知能(AI)技術を活用して開発した機能を盛り込んだ特許システム「AI Samurai(AIサムライ)」の普及を目指すAI Samurai(東京都千代田区)。今月26日に同正規版の発表会を控えた白坂一社長に聞いた。

 --特許庁は特許出願に対して権利付与する際、過去の特許文献を調査、比較して検討する

 「企業も同じで、特許文献調査が重要になるため調査員による検索や文献査読に多くの時間を費やしている。だが近年、日本は米中に特許出願で差をつけられている。AIの活用で調査よりも発明にもっと時間を使えるようになればと思い、AIサムライを開発している」

 --AIで調査業務の時間を短縮できると

 「われわれが目指すのは人間とAIとの共創。発表会で人間とAIの調査対決をする予定だが、意図はAIが勝つためではなく、AIを知ってもらうこと。短時間ならAI勝利だろうが時間をかければ同等だろう。なおAIに勝った上で会場で最優秀と評価された調査員が在籍する企業へはAIサムライを1年間無料提供する」

 --正規版の新機能とは

 「知財用AIサービスで初の学習機能となるラーニング検索機能だ。AIサムライは調査対象となる特許の特許明細書に書かれているクレーム(特許権範囲の記述)ごとに類似特許文献を5点ずつ瞬時に表示する。これら文献が使える内容かどうか調査員が「good」「bad」でチェックを打つことでAIへデータを返し学ばせる仕組みだ。AIサムライを使って調査員が特許調査業務をする間にAIの学習を促進し再検索時の検索精度を高めていける」

 --他に注目すべき点は

 「かねて公表していた戦国武将のデザインを使った知財戦略マップをいよいよ提供する。ビジネス戦略の基本には軍事戦略がある。データを使いシミュレーションし戦略を考えるとき、ゲーム感覚で臨むことは結構大事だと思って開発した」

 --提供時期や目標は

 「提供は8月1日から。ユーザー数は大企業25社ほど。新機能追加で1年後に約100社に増やしたい。AIサムライの利用料は年間数百万円だが、今後は中小企業や独立開業で頑張る若手弁理士などにも使ってもらえるような低価格サービスも検討していきたい」(知財情報&戦略システム 中岡浩)