羽田新ルート、都など容認 来年3月ダイヤで国際線増便へ

 
羽田空港の新飛行ルートについて説明があった東京都と都内自治体の会合=7月30日、都庁

 国土交通省は7日、羽田、成田など首都圏空港の増便などの機能強化について、関係自治体や有識者と話し合う協議会を開催した。同省は騒音対策などを自治体関係者らに説明。異論は出なかったとして、東京五輪を見据えて想定してきた来年3月からの羽田空港での新飛行経路の運航と増便の実施に向けた準備を本格化させる。

 国交省は今後の訪日客の増加に対応するためには、羽田空港の飛行経路を従来の東京湾上空から都心の上空へと変更する新ルートを活用した国際線の増便が不可欠と考えている。このため平成26年に飛行経路の見直しを提案し、関係自治体の住民への説明会を進めた上で、運航の際の騒音対策や落下物対策などを打ち出してきた。

 国交省は7日の協議会で、羽田の滑走路への着陸角度を従来の3度から3・5度に引き上げることで飛行高度を上げることや、ジャンボジェット機などエンジンが4つある大型機材は制限するなどの騒音対策を説明した。

 これに対して、東京都の長谷川明副知事は「機能強化実現に向けて着実に進めるよう要望したい」と、新ルートを事実上、容認。また、東京23区の特別区長会会長を務める山崎孝明江東区長は「(騒音や安全など)万全の対策をお願いしたい」と述べたが、川崎市など新ルートの関係自治体関係者も含めて新ルート運航に関する異論は出なかった。

 国交省の和田浩一航空局長は「住民からの不安の声があると聞いており、引き続き丁寧に説明したい。今後、新経路の運航開始と増便を国交省の責任において判断したい」と述べた。今月末には、小型機を実際に飛ばして空港設備をチェックする「飛行検査」に着手するほか、来年1月には試験飛行も開始する。