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仁義なき「花火戦争」関西連合発足、関東勢に対抗

 関西の花火業者らが連合体を組み、共同で打ち上げ花火の受注を目指す構想が浮上している。2025年に大阪・関西万博が開催され、カジノを含む統合型リゾート(IR)の関西誘致も決まれば、花火イベントが相次ぐ可能性がある。関東圏の花火業者の営業攻勢に備え、関西勢で結束を固める構えだ。関係者によると近年、関西の花火大会を、関東など他地域の花火業者が請け負うケースが増えているといい、受注をめぐる危機感は強い。関西経済の起爆剤として期待される万博、IRだけに、何としても地元企業で受注を勝ち取りたい考えだ。(黒川信雄)

大阪府阪南市の花火大会で披露された葛城煙火の花火「スターマイン」=平成29年4月(提供)
葛城煙火の古賀章広社長

 近畿、5社で連合

 構想の発起人は、日本三大祭の一つ大阪天満宮(大阪市北区)の天神祭などで打ち上げ花火を手掛ける大阪の老舗花火業者、葛城煙火(大阪市西成区)の3代目社長、古賀章広氏(43)だ。

 昨年11月の大阪万博開催決定を受け、古賀氏が京都、和歌山、滋賀、奈良の大手花火企業4社に「関西花火連合」設立を呼びかけ、今年1月に各社の社長と現場責任者が集まり、大阪市内で設立会合を開いた。花火業者間の受注競争は関西でも激しく、複数同業者の連携は異例という。

 現在は古賀氏が各社にIRや万博関連の情報を定期的にメールなどで提供している。今後、社団法人や組合の発足、参加企業数の拡大を検討していく考えだ。

 過去には、長野五輪や愛知万博などで地元の花火業者が連携して業務を請け負ったことがあったといい、同様のやり方を描いている。

 大阪の花火、関西以外が「2割」

 構想の背景には、花火業界における関西企業の苦戦もある。

 関西各地で開催される花火大会は、地元商店街や企業、新聞社などが主催し、入札や実績を勘案した選定などで花火業者が決まるが、関東など他地域の業者が営業攻勢をかけ、関西企業が受注で敗れるケースが増えているという。

 現在、大阪府内で開催される主要花火大会は「約2割が関西以外の企業が手掛けている」(古賀氏)のが実情。コンサートやカウントダウンイベントなどの運営を大手広告代理店が受託し、代理店と取引実績が多い関東の花火業者が事業を請け負うケースも少なくないという。

 古賀氏は「われわれの営業努力が足りないのも事実」としつつ、関西花火連合内での勉強会や情報共有などを活発にして、受注に向けた提案力や長期運営の実行力を高めたい考え。万博の事前イベントなどで連合の受注実績を積み重ね、知名度を上げたいとしている。

 「芸術性や粋を重視する関東の花火、音に重きを置く中京圏の花火とは異なり、関西では球数を多く使用し、クライマックスやエンディングなどを明確に表現する」という古賀氏。「関西を代表する国際イベントは、ぜひ関西に強い思い入れがある地元企業で」と意欲を燃やしている。