日台連携での東南ア進出大歓迎 台湾・工業技術研究院 王鵬瑜氏に聞く(下)
日台連携での東南ア進出 大歓迎
台湾最大の公的研究機関である工業技術研究院(ITRI)の技術移転・法律センター(TTLC)、王鵬瑜センター長に民間企業支援、日本企業との連携などについて聞いた。
--国際的研究開発機関の特許創出力で世界一だ
「米国特許ベースだが、昨年の取得件数は291件で独フラウンフォーファー研究機構は208件、1特許当たり所要従業員数は21.4人で日本の産業技術総合研究所は39.9人だった。年平均出願件数は約1388件、特許出願予算は年1億台湾ドル(約3億4000万円)を超え、半分は海外向けだ。保有有効特許件数は約1万7300件。技術分野は情報・通信および電子・光電システムを筆頭に、材料・化学・ナノ、グリーンエネルギー・環境、機械・メカトロ、バイオ・メディカルと幅広い」
--ITRIの企業支援を受ける利点はどこにあるか
「さまざまな専門技術領域を持った院内研究所が相談企業の技術領域を超えた幅広い視点から技術や知財などを調査・分析して支援できる点にわれわれの優位性がある。昨年受けた技術相談は約1万8000件、技術移転は約600件に上る。過去の事例では、バイク製造大手から電動バイク開発の相談を受け、材料面の補強と電力系統管理のデジタル化が必要と分析し、材料化学とグリーンエネルギーの研究所が支援した」
--政府は新南向政策に注力しているが、海外進出では製品・サービスを守るため現地国の特許が必要になる
「ITRIのグローバル・パテント・ポートフォリオから特許を提供する。進出先で現地合資会社を設立する際、われわれが供与した技術を使って現物出資を実現した事例もある」
--相談・支援は外国企業も受けられるのか
「台湾企業の新技術導入、知財強化・導入の支援が基本だが、台湾企業に限ってはいない。例えばシンガポールに拠点を置く世界的大企業の多くが頻繁に台湾まで来る。日本の重要性は高い。日本企業が技術や知財、連携先台湾企業を探しているなら、ぜひ相談してほしい。日本語スタッフもいる。特に、日本企業が台湾企業と組んで東南アジアなど第三国へ進出したいという案件は積極的に支援したい」
--日台が技術連携を推進する上での課題とは
「日本企業では物事が完璧でないと決裁が下りないようだが、台湾企業は時機を逸したら終わりと考える。また、日本企業は連携先や支援先を探す際、まだ国内にこだわっており、世界の状況をもう少し知る必要があるのではと感じることがある。そういう意味でも、ぜひ最初からITRIを訪ねてみてほしい」
(知財情報&戦略システム 中岡浩)