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増産急ぐ軽減税率の対応レジ 工場フル稼働も「間に合わない」
10月の消費税増税に伴い導入される軽減税率に対応したレジの増産に向け、メーカー各社が工場をフル稼働させている。消費税率引き上げまで1カ月を切り、中小の小売業者などが駆け込みでレジの買い替えに動いているためだ。殺到する注文にレジメーカーからは「軽減税率が始まるまでに納入が間に合わない」といった声も聞こえる。
10月から外食・酒類を除く飲食料品などが軽減税率の8%の対象となる一方、日用品などは通常の10%が適用される。それらの両方を扱う店舗では、軽減税率に対応したレジを導入すれば、レシートに軽減税率の対象品にチェックを付け、税率ごとの合計額を購入者に示すことができる。
一方、対応するレジが準備できない場合、店頭で電卓を使って計算したり、手書きの領収書を用意したりといった手間がかかり、客から苦情を受ける恐れもある。
増税が迫り政府が広報活動を強化したほか、レジ購入の契約を9月末までに終えれば、国から1台当たり20万円を上限に購入費の補助を受けられることも駆け込みが起きる原因となっている。
レジ大手のカシオ計算機では、オンライン上で販売データなどを管理できる20万円以上の上位機種が人気だ。広報担当者は「一部で品薄になっており、当初の計画より前倒しで生産を進めている」と説明する。シャープも海外の工場をフル稼働させて増産するが、10月1日までに「納入が間に合わないケースもあるかもしれない」と話す。東芝テックもフル稼働が続いているという。
日本商工会議所が5月上旬~6月上旬に実施した調査によると、対応レジの導入に40.1%の事業者が「未着手」と回答しており、小規模の事業者ほど割合が高かった。