【関電金品受領問題会見詳報(2)】「儀礼的なものも、そうでないものもあった」 関係悪化恐れ受領、返却は「難しかった」

 
記者会見する関西電力の岩根茂樹社長(右手前から2人目)ら=27日午前、大阪市

 《岩根茂樹社長はペーパーに目を落としながら、時折かすれ声になりながら、記者の質問に対し淡々と話し続けた》

 --個人口座への振り込みはないのか。岩根社長自身は

 岩根社長「私のところにはない」

 --社内処分は報酬何カ月分か

 岩根社長「私、会長も含め、報酬の返上を含む処分を行っているが、詳細は控えたい。一定の調査をして、当該事象の発注プロセスも適切に行われている。個人で管理をしていたということについては、大きな課題だと考えています」

 --返金されているというが、国税の調査がなければ、返金はなかったのか

 岩根社長「儀礼の範囲内でないものは受け取ってはならないということを、継続している。メモをつけて、どれくらいのものを預かっているかを記録していた。返却したものもある。そういう対応していました」

 --背広券を使用していたケースもあったというが

 岩根社長「基本的に、儀礼的な範囲のもの以外は返却したが、儀礼的であれば、そうでないものもあった」

 --返却できなかった理由は

 岩根社長「基本的に金銭などで、返却するのが難しかった」

 --一度受け取っている。なぜ、拒まないのか。社会的に高い地位の方が、そういうものを受け取っている

 岩根社長「提供したのは地元の有力者。さまざま御世話になっている。返すとか、受け取れないと言った場合、非常に厳しい態度で、先方も返却を拒んだ。その方との関係悪化を恐れて、返せる時に返そうとしていました」

 --委員会を設置したというが、いつからいつまでのことか

 岩根社長「委員会については、社外に先生が3人 社内の中立的な委員が3人の計6人。2018年7月から9月の間まで活動した」

 --社長自身の事例を教えてほしい。いつ、どういう場所で、どう渡され、拒否したのか

 岩根社長「私の場合は、一度だけお会いしています。就任のお祝いでお話をして。そして最後に、お祝いとして 手荷物をいただいた。そういう金品があるという認識はなかったが、後で見ると、非常に高額で、受け取れないと思った」 

 --返却しようという行動は起こしたか

 岩根社長「他の役員と話しながら、返せるタイミングで返すということにしました。基本的に、私自身は預かったもの自体を見ているわけではない。いわゆる、金庫に保管した状況でした」

 --何をもらった

 岩根社長「金額は差し控えます。いわゆる金品ではない」

 --歴代の人がもらっていたことを知っていたか

 岩根社長「基本的には、そこのところは、詳しく承知していなかった」

《時折声を詰まらせ、取材陣から大きな声で話すことを求められる場面もあった》

 岩根社長「就任のお祝いについて、他の役員から、高額かもしれないというアドバイスを受けた。それを持ち帰り、金庫に保管しました」

 --会社として、そのような認識あったか

 岩根社長「社として、具体的にどこまでの話があったかとは認識していなかった。どういう対応をしていたかということについては、認識をしていなかった」

 --社内処分は会長と社長の2人だけか

 岩根社長「他の人間にもしています。具体的な人数、内容は控えたい」

《詳細を尋ねる質問において、時折社長はペーパーを繰り返し読むような動きもあった》

 --20人で3億2000万円。これらすべての人が処分対象ではないということか

 岩根社長「会長、社長を含め、複数名の処分を行いました」

 --処分内容を明らかにしない理由は

 岩根社長「ある特定の人物から金品を受け取ったということで調査し、返還を申し出たが拒否された。発注プロセスについては適切に実施されています。個人の管理下においたことは不適切でした」