令和のキーワードは「SDGs」と「嘘」
令和の時代に欠かせないキーワードは、「SDGs」と「嘘」だと私は考えています。SDGsは、2015年9月の国連サミットで採択された16年から30年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものと定義されています。持続可能な開発目標。環境から福祉、働き方など、世界が一つとなって取り組む目標です。(学校法人田北学院校長・つだつよし)
私が校長を務める専門学校においても、新年度からの学校運営にSDGsを取り入れることにしたところ、今後の学校経営の方向性が明確となりました。SDGsには、これからの社会が望むサービスや価値観が詳細に示されており、それに沿った学校経営を行うことで社会的な価値を向上することができます。
また、SDGsは、既に全国の教育現場へも降りているという現実です。ゴールは30年。今の子供たちが社会人となる時代です。30年以降、20代の価値観は確実に17個の目標と符合してきます。SDGsを取り入れていない企業は将来、若い世代から選択されない時代になることは容易に想像されます。
そして、もう一つのキーワードは「嘘」。詳しく言えば 嘘はバレる時代になるということです。ミレニアル世代と呼ばれる2000年代に社会人になる世代は、25年に世界人口のおよそ75%を占めると言われています。デジタルネーティブとも言われる彼らの特徴は IT・SNSに幼少期から触れていること。彼らにとっての購買行動は、昭和生まれの世代と比べて大きく異なります。ただ買うのではなく、そこにあるストーリーや共感を買う傾向があります。一人一人がメディアを所有し情報の虚偽を見抜く力も身に付けているため、表面上だけの「良さ」は通用しません。
今のうちにSDGsを事業に取り入れ、正直に取り組む。これがとても大切です。30年に向けて、今日から「Sすぐに」「D誰でも」「G頑張らずとも」「sすべきこと」を考え始めてみることをお薦めします。
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【プロフィル】つだつよし
つだ・つよし 1976年、大分県生まれ。学校法人田北学院校長。高卒後、吉本興業の門をたたき8年間芸人として活動。ある不登校児童との出会いから心理カウンセラーの資格を取得。現在は、大分テレビの教育番組のプロデュースなど教育事業を行うほか、講演家としても精力的に活動中。「全国・講師オーディション2015」で最優秀グランプリを受賞。