RMBA 融資残高、10年内に1000億円目指す
りそなマーチャントバンクアジア最高経営責任者・清水正幸さんに聞く
--りそなマーチャントバンクアジア(RMBA)設立から2年が経過した。感触は
「RMBAは東南アジア諸国連合(ASEAN)地域やインド、香港に進出している、または進出を目指す日系中小企業にターゲットを絞っており、融資やM&A(企業の合併・買収)仲介などのサービスを提供している。りそな銀行は中小企業を重視する戦略を取っているが、それと同じことをASEAN各国などでも展開している。この2年間で成長の兆しは間違いなく出ている」
--8月に100億円の増資を行った。今後の目標は
「今までのスタイルをベースに事業規模を拡大する。今回の増資でその環境が整った。10年以内に融資残高を現在の150億円から1000億円まで引き上げたい」
--中小企業のASEAN市場への関心は高いのか
「中小企業は日本市場の限界感の中、大手企業に追随するのではなく、自ら海外にマーケットを開拓していくという動きになっている。ただ、そうした企業は財務内容が脆弱(ぜいじゃく)な場合も多く、単独での融資調達は本来難しい。そこをRMBAは側面支援し、融資をする。手間暇は掛かるが、それを積み上げていくスタイルを目指す」
--特に注目を集めている国はどこか
「今のところ融資の6割がシンガポールとなっている。だが、製造業を中心に借り入れニーズが間違いなく高まっているのはベトナムだ。ベトナムは米ドル決済が浸透しており、調達も米ドルが使える。そうしたメリットは大きい」
--米中貿易摩擦の影響は
「現在、影響は感じられないが、将来的には(中小企業の)目は東南アジアに向いてくるだろう。今後、アジアの地域統括として、改めてシンガポールの存在が見直されることもあるだろう」
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【プロフィル】清水正幸
しみず・まさゆき 立教大卒。1986年埼玉銀行(現埼玉りそな銀行)入行。りそな銀行名古屋駅前支店長、埼玉りそな銀行東松山支店長などを経て、今年6月から現職。栃木県出身。りそなマーチャントバンクアジア(RMBA)は2017年7月にりそな銀行がシンガポールのノンバンク、AFCマーチャントバンクアジアを買収し、設立された。