【リーダーの視点 鶴田東洋彦が聞く】SOMPOひまわり生命(2-2)まずは社員の啓蒙から
禁煙や山歩き…まずは社員の啓蒙から
--インシュアヘルスの考え方を社員にどう伝えていった
「2018年4月の第1弾から4商品を投入した。『万が一に備える』と『毎日に寄り添う』をつなげるビジネスモデルが社員に伝わるのか不安もあったが、今では手応えを感じている。商品・サービスを発売することでコンセプトが社員に浸透する。また社員に直接、座談会を開きタウンミーティングのように意義を話した」
「つじ説法はよくあるが、18年度は年間125回、延べ1400人強に話した。今や150回に達し、社員約3200人の約8割と対話した。社長就任から1年半で150回ということは月10回弱のペースで開催していることになり、『現場に行く』というより『現場にいる』感じだ。座談会では私の説明に熱量も加わり『分かった』『会社が変わる』と理解する社員が増えた。まだまだ社長としては若造なのでフットワークを使って考えを浸透させるしかない」
--社員やその家族の健康維持・増進にも気をつける
「SOMPOホールディングスグループの『安心・安全・健康に資する最高品質のサービス』を実現するためには、その原動力である社員・家族の健康が大切だ。しかも、われわれは健康応援企業をうたっている以上、『隗(かい)より始めよ』ではないが、社員に健康の維持・増進を求める。ビジネスモデルは退路を断ってやっており、他社の健康経営とは取り組む姿勢が違う。例えば喫煙には厳しく、就業時間内の禁煙はもちろん、役員には任命時に禁煙承諾書にサインしてもらうことになっている」
--ほかに健康経営の取り組みは
「17年5月から『クアオルト』を活用した社員の健康応援を始めた。クアオルトはドイツの治療プログラムで、おいしい空気と水という豊かな自然環境を活用し、健康増進に向けた山歩き(トレッキング)の実施、地場産食材を使った栄養バランスの優れた料理の提供、温泉施設との連携などによりリフレッシュを図る。全社員に1年に1回、平日に1泊2日で体験してもらう。社員は業務として行くため、交通費、宿泊費は会社が負担する。日本クアオルト協議会加盟自治体と連携し、山形県上山市や新潟県妙高市、群馬県みなかみ町、大分県由布市など8カ所が行き先となっている」
「仕事を離れて職場単位で参加することを推奨しており、職場内のコミュニケーションの活発化につなげてほしい。社員個々の健康維持・増進に対する意識向上のきっかけにもなる。行く前は『面倒くさい』といっていた社員も『すっきりした』『行ってよかった』と好評だ。またクアオルト活用による社員の健康貢献効果を検証し知見を得ることで、お客さまの健康応援に生かす。健康応援企業としてのブランドを確立する狙いもある」
--趣味は
「『40の手習い』で始めた登山。同僚から富士山登山を誘われたのがきっかけで、40代は登山漬け。丹沢や奥多摩などのほか、夏は北アルプスを縦走した。社長になってからは行けなかったが、今年の夏休みに立山に1泊2日で登った。登山の面白さを堪能し、復活したいと思った。時間を見つけて里山に登りたい。生まれ変われるのなら富山県か長野県の山岳警備隊に隊員として入りたい」
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