【フジテレビ商品研究所 これは優れモノ】損害保険「LINEほけん」 損害保険ジャパン日本興亜

 
サービス開始から半年で17万件の契約があった「LINEほけん」のイメージ
LINEアプリ内から申し込みができる。分かりやすい絵表示で補償内容が確認でき、「LINE Pay」で決裁する。最短約60秒で保険加入に必要な全ての手続きが完了する
乘田洋樹氏

 カジュアルでお手軽価格 若年層にヒット

 10月も半ばを過ぎ、地域によっては紅葉が見頃を迎える時期となった。休日にドライブやトレッキングを楽しむ人も多いのではないか。今回の「これは優れモノ」は出かける前に気軽に入れる損害保険を取材した。

 スマホでどこでも

 「保険をもっと身近なものにしたいと考えていました」と話すのは損害保険ジャパン日本興亜情報通信産業部の乘田(のりた)洋樹さん(39)。入社後は、営業マンとして保険販売の最前線でユーザーの声を拾ってきた。その中で多かったのが、契約に際しての煩雑さだった。具体的な補償内容や約款、重要事項を確認し、申込書に記入していく作業に負担を感じる顧客が少なくなかった。

 営業部隊から企画部門に移ると、いつでも簡単に加入できる損害保険を念頭に、新商品の企画や販売チャネルの開拓を担当してきた。「インターネットが必要不可欠な社会インフラとなり、保険販売のあり方も多様になりました」(乘田さん)

 携帯電話会社と提携し、自宅のパソコンからではなく、スマートフォンでどこからでも保険の申し込みを可能にする仕組みづくりなどにも取り組んできた。

 そもそも損害保険は、海上輸送での損害をカバーするものとして古代ギリシャ時代に生まれたといわれている。大航海時代に発展し、今日の海上保険の原型となった。その保険の知恵が17世紀のロンドンで発生した大火で火災保険を生み、18世紀の産業革命以降、あらゆる場面で損害をカバーする商品が開発された。

 日本でも明治以降、さまざまな損害保険が登場し、社会の安全装置としての機能を果たしてきた。

 ユニークな商品も

 今は身近な損害保険というと自動車保険や火災保険などが一般的だが、加入者は40代以降が中心だ。乘田さんら部のメンバーは、20~30代の若年層にそうした保険に気軽に加入してもらえる仕組みを探し求めた。

 そこで、2018年4月に無料通話アプリ大手、LINE(ライン)の金融子会社「LINE Financial」と提携することとなった。これは通信アプリのLINEから損害保険に加入できる日本初のサービスを提供するためだ。

 その損害保険の特長は、補償が必要となる比較的短い期間を月額100~500円という安い保険料でカバーするというもので全59種類。発売半年で合計17万件の契約があった。この保険商品シリーズの一つ「半日からの自動車保険」は、友人から車を借りてドライブする時など、その場でLINEを通じて保険の申し込みができる。保険料は12時間の補償で400円から。支払いもLINEの決済サービスなどから行うので、面倒な振り込み手続きも不要だ。

 このほかにもお花見や紅葉狩りに出かけた際のけがや賠償責任をカバーする「お花見安心保険」や「紅葉・もみじ狩り安心保険」など、ユニークなネーミングの損害保険を販売している。

 「LINEならではのカジュアルさで、保険の重たいイメージを排除できたことで、若年層の加入者が増え続けています」と乘田さんは、確かな手応えを語った。

 ≪interview 担当者に聞く≫

 損保ジャパン日本興亜情報通信産業部・乘田洋樹氏

 親近感沸く名付けがイメージの助けに

 --LINE Financialとの提携の背景は

 損害保険の利用者の裾野を広げることが狙いだ。20~30代の若年層を中心にスマートフォンで手軽に加入できる保険サービスを提供している。提供する損害保険は月額の保険料がワンコインで収まるように設計している。昨年10月から59種類の商品提供を開始した。どの商品も、その手軽さが受けて、評判も上々で、現在は商品ラインアップ数も62種類ある。保険自体は、もともとあったものだ。ネーミングを変えたことで、顧客に分かりやすく親近感の沸くものになった。これはわれわれにはできない芸当で、提携相手のLINE Financial側からの提案で実現したものだ。例えば、「今年もお疲れ忘年会保険」というものをリリースしている。昔からあったけがや賠償責任を補償する傷害総合保険の一種なのだが、保険が必要となるシチュエーションが具体的にイメージできるので好評だ。

 --異業種との提携だが

 われわれは保険のプロではあるが、その専門性に縛られ、商品を企画しがちだ。他方、LINEはITによるカスタマーサービスで豊富な知見を持っているが、金融分野の経験が少ない。お互いが補完するいい関係だと思う。金融商品は法による規制も多い。今回の提携で、そうした制約と顧客目線の利便性向上をいかにバランスさせるかを学んだ。

 --今後の展開などは

 現在、グループ会社「Mysurance(マイシュアランス)」が提供する「贈るほけん 地震のおまもり」という保険も販売している。保険料はプレゼントする人が払い、もらった人の居住地域で震度6弱以上を観測し、被害を申告すると即座に1万円の保険金(お見舞金)を受け取れるというものだ。このような顧客が“ワォ”と驚くものをこれからも提供していきたい。販売チャネルの拡充を務めるとともに、「LINEほけん」独自の損保商品も発売していきたい。

 ■フジテレビ商品研究所

 「企業」「マスコミ」「消費者」をつなぐ専門家集団として1985年に誕生した「エフシージー総合研究所」内に設けられた研究機関。「生活科学」「美容・健康・料理」「IPM(総合的有害生物管理)」の各研究室で暮らしに密着したテーマについて研究している。

 http://www.fcg-r.co.jp/lab/